なぜか彼や彼女はLINEを始める
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だか分かんねーよ」
「分かるっしょ、小町ちゃん以外にあたししかいないし」
「まぁ家族以外で登録したのなんてお前が始めてだしな。区別は簡単だ」
「ふ、ふーん。あたしが始めてなんだ」
「なんだそのエセビッチみたいなセリフは」
由比ヶ浜は何いってんだこいつって顔でしばらくポカーンと呆けていたが、俺の言葉の意味を理解したらしく、その顔は徐々に赤く染まっていき、西の窓から差し込む夕陽よりも真っ赤になった。
「は、はぁ?何想像してんの。ほんとキモ!ありえない!まじでキモいもうほんとキモい」
キモいの語源は『鬼も一』で、意味はいつも一人で過ごしていれば、鬼でさえ周囲からの視線や数の暴力で性格が捻じ曲がっていくのが関係しているらしい。嘘だが。
丁度由比ヶ浜がキモいの百段活用を創り上げたところで、チャイムの音が部活動をしている生徒達の帰宅を促した。
「あなた達の下半身事情はどうあれ、今日の部活動はこれでお終いにするわ。さようなら」
雪ノ下さん本を読んでるフリしてちゃっかりこっちの会話聞いてるよね。
雪ノ下は本を鞄へ直して、定時で帰るサラリーマンのような早さで帰宅をする。由比ヶ浜はベーと舌を出すという別れの挨拶をして、雪ノ下を追いかけていった。
西の窓から朱色の夕日と運動部の声が入り込むこの奉仕部の部室に、一人ぽつんと佇みながら俺は思った。
奉仕部って響き、よく考えるとエロスを感じるなと。
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