暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈上〉
バス旅行中×日本の家系について
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二人掛け通路側。必然的に窓側に座っている人間に目が入る。

「・・・・何でしょうか、摩利さん?」

こちらもあまり元気が無さそうな女子生徒が、摩利の視線に気づいて問い掛けてきた。

「んっ?いや、あたしは外を見ていただけだよ、花音」

摩利も遠景から隣の座席へ焦点を移し、とりわけ女子に人気の高いクールな笑みをその二年生、千代田花音へ向けた。彼女は摩利が特に目をかけている後輩で、次の風紀委員長には彼女を据えようと色々手を回している。俺に頼んだというより有無を言わせず作らせた引継資料を作らせた資料も彼女のためであり、花音がいなければ、摩利も詳細な資料を作ろうなどとは思わなかっただろうな。花音の千代田家は、同じ百家の中でも本流を構成する家で、優秀な魔法師を輩出する本当の意味での「百家」だ。

百家、というのは、家の数が百あるという意味ではない。十の位の次は百の位、という駄洒落みたいなもので、「十師族に次ぐ位の家柄」を意味する。ちなみに十師族も十の家系で構成されているという訳ではない。十師族を名乗る資格のある家系は合計二十八あって、その中でその時代に強力な魔法師を数多く出している家を上から順番に十家選んで「十師族」としている。真由美の七草家は特に多数の優秀な魔法師を輩出する事によって、四葉家は当代であり真夜は世界最強魔法師の一人と目され「極東の魔王」「夜の女王」の異名を持っている。まあ現当主の四葉家と七草家は表裏仲が良く、互いを尊敬しながら連携をしている。

現在十師族を構成する家は、「一条」「二木」「三矢」「四葉」「五輪」「六塚」「七草」「八代」「九島」「十文字」と、たまたま一から十までの数字が揃っているが、これは十師族をという序列が生まれてから初めての事で、今までは数字に二つ三つの重複・欠番があるんが当たり前とされていた。十師族と、その補欠とも言える残り十八の家系、そしてその次に位置する本物の「百家」。その百家の一つが千代田家であり、対物攻撃力を凌ぎ、陸上兵器相手なら十師族の実戦魔法師に勝るとも劣らない戦
闘力を誇る彼女は、千代田家の直系を名乗るに相応しい魔法力持ち主。花音が元気ないのは、家の仕事で忙しいとかではなく単純な理由でため息をついていた。ちなみに十師族を束ねている零家は、十師族には入ってないが百家の次ぐ家柄であり、最強の魔法師を語っていたのは十師族や師補十八家と百家が出来た時に最初にリーダーをしていた家柄である。それを知っているのは現十師族の直系にある会長か会頭のみである。

「花音・・・・・」

「はい?」

再び振り向いた花音の先には、先ほどと打って変わった顰め面。最も、顰に倣うの故事に似て、そんな表情さえ、摩利は魅力的だった。・・・・主に女性から見ても。

「宿舎に着くまで、精々二時間だろう。何でそのくら
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