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ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第十九話 二刀に込めた思い
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顔を上げた。大きく目を見開いた視線の先には、十人の中でHPに余裕のある八人が突撃したところに、悪魔が口からブレスを吐き出し、軍の連中を青白い輝きに包む姿があった。その息にもダメージ判定があるのだろう。八人の突進の勢いが緩む。そこを悪魔の巨剣に突き立てられ、一人がすくい上げられるように斬り飛ばされた。キリトたちの眼前の床に激しく落下してくる。
コーバッツだった。HPバーが消滅し、ポリゴン片となって爆散する。
「だめ・・・・・・だめよ・・・・・・もう・・・・・・」
絞り出すような声を出すアスナをキリトは咄嗟に腕を?もうとした。
だが一瞬遅かった。
「だめーーーーーーーッ!!」
絶叫と共に、アスナは疾風の如く駆け出した。空中で抜いた細剣と共に、一筋の閃光となってグリームアイズに突っ込んでいく。
「アスナッ!」
キリトは叫び、その後を追う。アスナが身の安全も考えず切り込んだのは至極当然のことだろう。リーダーを失った軍のパーティーは瓦解。すでに全員のHPは半分に割り込んでいた。そして、今日だけで二回も人の死を見てしまったのだ。冷静でいろという方が無理な話だ。
アスナの捨て身の一撃は、不意を突く形で悪魔の背に命中した。だがHPの減少はほとんど見られない。グリームアイズは怒りの雄叫びとともに向き直ると、猛烈な速度で斬馬刀を振り下ろす。その余波に当てられ体勢を崩してしまう。そこへ斬馬刀が振り降ろされる。
「させるかーーーーッ!!」
キリトは必死にアスナと斬馬刀の間に身を躍らせた。ぎりぎりのタイミングで、彼の剣が悪魔の攻撃軌道をわずかに逸らす。
擦れ合う刀身から火花を散らして振り下ろされた巨剣が、アスナからほんの少し離れた床に激突し、爆発音とともに深い孔を穿った。
「下がれ!!」
キリト叫ぶと同時に彼を再び悪魔の追撃が襲う。パリィとステップで防御に徹しているが、一撃の威力が凄まじく、時々体をかすめる刃によってHPがじりじり削り取られていた。
軍の連中の退避も、キリトが中央で悪魔と対峙しているため、遅々として進んでいなかった。
――――このままだと全滅する・・・・・・もうあれを出すしかない・・・・・・ッ! 俺たちまで死んだらアリスの心は本当に取り返しのつかないことになる!!
「アスナ! クライン! 十秒持ちこたえてくれ!」
叫ぶと同時にキリトは、右手の剣を強振して悪魔の攻撃を弾くと、無理やりブレイクポイントを作り出した。そのまま飛び込んできたアスナとクラインと交代する。
キリトはすぐさまメニューウィンドウを開き、操作を始める。
「いいぞ!!」
操作を終えたキリトは顔を上げて叫んだ。その時、クラインはすでに退いていて、アスナだけが悪魔と対峙していた。
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