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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第3話:持つべきものは良妻賢母
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の
主
(
あるじ
)
の横に配置されてる机で書類処理の手伝いをしている。
しかし、目の前の娘には私達の状況が解らないらしく、ひたすらパパラブトークを続けている。
私の未来の夫は、そんな彼女を無碍に扱う事はなく、時折優しい笑顔で「うん。やっぱり父さんは凄いね」と相槌を打っている。
ある程度満足した未来の義妹は、他の者にも
同じ話
(
自慢
)
をしに出て行った。
「よく我慢できるわねティミー……」
「アルルよりも付き合いが長いからね……それに今でも気があるし」
2週間後に結婚式が迫ってるというのに、サラリと暴露するわね……
「あのね……私のお腹には貴方の子供が居るのよ。そんな事を言ってると、貴方のお父さんみたいな大人になっちゃうんだからね」
「いや大丈夫。僕の父親みたいな人間を見続けた所為で、僕はこんな大人に成長したんだから……きっと反面教師として僕も父さんも役立つよ(笑)」
「そういう事じゃ……ふぅ、まぁいいわよ」
私の手を握り締め優しい笑顔で言われ、思わず諦めてしまう。
これだからイケメンはズルイ!
「ところでリュリュの話してた件だけど……本当かしら?」
「さてね……父さんの懐が深いのは事実だ。でも思いつきで行動する浅はかな所があるのも本当だ……もしかしたら母さんが思い違いを言ってるのかもしれないし、真実を言ってるのかもしれない」
「確かに……ビアンカさんが嘘を吐くなんて思えないものね」
「そうでもないさ。エジンベアでの事を憶えてるかい? あの時は父さんの指示の元、夫婦揃って人を騙してたからね。母さんが真面目なのは旦那が絡まない時だけだ。気を抜くとあの夫婦のトラブルに巻き込まれるぞ」
「厄介ねぇ……ウルフはきっと、自分が大きく信頼されてると思って喜んでるはずよ。何が真実にしろ、暴いちゃダメな気がするわ」
「ああ、暴いちゃダメだ。どんな魔物が潜んでるのか解らないからね。その魔物に取り憑かれてみろ……生き地獄を味わうぞ」
流石は息子だ……両親の事を熟知しているわ。
軽く溜息を吐いて書類に視線を向けた所で、国王主席秘書官のウルフが部屋へ入ってきた。
顔には疲れが浮かんでいる物の、その瞳には力強い輝きが宿っており、例の話を耳にした事を確信させる。
「お疲れ様ウルフ……大丈夫なの、疲れが溜まってるんじゃないの?」
「ありがとうアルル。でも俺は大丈夫だよ……疲れてはいるけど、リュカさんの信頼に応える為に全力を出すんだ! それに我が儘娘2人が、夜の面で協力してくれるって言ってくれたからね(笑) 今日からは睡眠がとれるよ」
「そ、そう……じゃぁ無理だけはせずに頑張ってね」
「あぁ頑張るよ!」
そう言うとウルフは、結婚式のプログラム等の書類を置いて出て行った。
「凄いわね、あの夫婦……ウルフ
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