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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第3話:持つべきものは良妻賢母
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から財布を取り出す。
すると俺の目の前の席に背中を向けて座ってた兵士が立ち上がり、俺のテーブルにコーヒー代を置いた。
何なんだと思い、その兵士を見上げると……何と、兵士の格好をして変装してたリュカ陛下だった!!
客が大分居なくなった店内を見回し兜を脱ぐと、そのままビアンカ王妃陛下の席へ近付き、対面する様に着席する。
「いやぁ〜助かったよビアンカ。これで娘に文句を言われずに済む」
「そりゃ貴方の妻ですから(笑)」
ん? 妻ですから……とは、真実を語るのも勤めと言うのだろうか?
「思い立った時に思い立った事を発言すると混乱するんだね(笑) ウルフが有能だから、ついつい仕事を押し付けちゃうけど、ちょっとは考えて発言した方が良さそうだねぇ」
何だと!? では先程語ったビアンカ王妃陛下の言葉は?
「良いんじゃない、若いうちの苦労は買ってでもしろと言うのだし、ウルフ君も沢山苦労するべきよ。その為に夫の名誉を守るのも娘の思考を操るのも、妻で母な私の役目だから」
「持つべきは良妻賢母だね。ビアンカ以上の女性は世界に居ないだろう」
「お世辞は要らないわ……謝礼はアッチで返して貰いますからね(笑)」
クスクス笑うビアンカ王妃陛下の声を聞き、俺はテーブルの上に置かれたリュカ陛下が支払ったコーヒー代を見詰める。
これは口止め料って事だろうか?
美談に隠された真実を聞いたしまった俺は、他に誰か聞いてないか周囲を見て確かめる。
だがカフェに人影は居らず、真実を知ってしまったのは俺だけだと痛感する。
口止め料なんって要らねーよ……
さっきの美談を聞いてた者の中に、近衛隊の女性も混じってた。
つまり、リュリュの耳に美談が入るのは確実だ。
そんな状態で俺が真実を話せばどうなるか……
リュリュを敵に回す事になるだろう。
って事は、リュリュファンクラブの面々を敵に回す事になる。
口止め料払わなくても、誰にも言えねーよ!
身を守る為に誰にも口外できねーよ!
何だあの夫婦……凄く厄介だぞ!?
多くの者がカフェで休憩をしてる時に、あの話をしに来たのはワザとだろう。
近衛隊の女性が居る側の席に着いたのもワザとだろう。
ただ……それがビアンカ王妃陛下の発案か、リュカ陛下の発案かは解らない。
願わくば……リュカ様の案であります様に。
ピピンSIDE END
(グランバニア城・外務大臣執務室)
アルルSIDE
「ね、おにーちゃん。私達のお父さんは凄く格好いいよねー!」
私の夫になる男の執務室では、膨大な書類処理に追われる
主
(
あるじ
)
を尻目に、変態的ファザコン娘が本領発揮全開で大きな独り言を繰り広げてる。
私も外務大臣の秘書官的な立場で一緒に仕事をさせて貰ってる為、この部屋
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