第148話
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れていた。
それを見て今までの事を思い出す。
「打ち止めにあの人を助けてほしいって言われて、その現場に来てみればこいつらが居たんだ。
小さい水溜りの水音に気がついて追い駆けてきて、このファミレスに立て込んだ。
そしたらヴェントの奴が来て・・・・」
「結果的にしろそいつに命を救われたな。」
麻生の言葉に納得のいかない表情をする上条。
事実そうだろう。
彼の右手、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』は異能に対しては絶大な効力を発揮するが、異能以外、つまり銃火器などの異能の力が一切含んでいない武器には相性が悪すぎる。
拳一つだけではサブマシンガン相手にどう足掻いても勝てないだろう。
もしヴェントが来なければ、上条は口封じで殺され打ち止めは回収されていただろう。
しかし、何の罪のない一般人を躊躇いのなく殺そうとしたヴェントに助けられたという事が気に喰わないのだろう。
少しだけ不機嫌そうな顔をする。
(当麻に来たという事は、俺の方にも来る可能性が高いな。
これは何か対策を考えた方が良いかもな。)
と言っても木原をどうこうするつもりはない。
あれは一方通行が倒さなければならない敵だ。
それを邪魔する事を麻生はするつもりはなかった。
最悪、やってくる『猟犬部隊』を全部片付ける事になるがそれも仕方がないな、と諦める。
「で、これからどうするんだ?」
「俺は知り合いを探しに行く。
こんな事態だ、そいつらが危険が及んでいる可能性があるからな。
そいつらを安全な所に避難させたらヴェントを叩くつもりだ。」
「・・・・・・」
麻生のこれからの行動プランを聞いた上条だが、何やら呆然とした顔をしている。
「どうした、間抜け面な顔をして。」
「その言葉に色々とツッコみたい所だけど」
そう言葉を区切って言う。
「恭介、その知り合って人が心配なのか?」
ピクリ、と麻生は反応する。
「何故そう思った?」
「いや、こんな状況でも面倒だとか何とか言って部屋で寝そうな麻生が、こんな雨の日に街中を走ってまで探している人なんだから、そうなのかなって思って。」
確かに上条の言っている事は間違っていない。
麻生が捜している愛穂と桔梗は麻生の命の恩人だ。
制理もその一人だが、麻生は部屋に戻っていると考えている。
この二人はこれからの行動次第では危険になると思っているので探しているのだ。
しかし、その事を上条に知られるわけにはいかない。
別に知られたところで何もしない事は分かっているのだが、その事を口にしてしまうのは麻生のプライドが許さなかった。
「そんな事は今はどうでも良いだろ。」
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