第五章
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「それならな」
「それじゃあね」
二人で話してだ、そのうえでだった。
その二人で駅前のマジックに行った、喫茶店の外観はダークブラウンの木造りで英国調の趣きがある、その店に入ってだ。
二人でカウンターに並んで座ってそのうえでだ、口髭を生やし白のブラウスの上に黒のベストを着たマスターに勝負をかけた。
「モーニング二つ」
「分かりました」
これがマスターの返事だった。
「モーニング二つですね」
「はい、お願いします」
「それで」
「すぐに持って来ます」
そしてだった、実際に。
二人にそれぞれそのモーニングセットが出された、コーヒーにゆで卵、それにだった。
トーストもある、横にはバターが、そのモーニングセットを見てだった、菫は岳に対してほっとした顔になって言った。
「やっとよね」
「ああ、本当にな」
岳も彼女と同じ顔で答えた。
「これで食えるな」
「モーニングをね」
「十一時半か」
携帯で時間を確かめるともうそんな時間だった。
「殆ど昼だな」
「そうよね」
「じゃあこれ食ってな」
「これお昼じゃないわよね」
「お昼はお昼で食わないとな」
駄目だというのが岳の考えだ、そして菫もまた同じ考えだ。食べることについて二人の考えは見事なまでに似ている。
「そうしないと駄目だからな」
「じゃあ後でね」
モーニングを食べた後でと言う菫だった。
「お昼食べましょう」
「牛丼でも食うか」
「吉野家に入って」
「そうしような」
朝食を食べる前だがもう昼の話をするのだった。
「昼はな」
「それでお昼食べたら」
「スーパーに行ってな」
そうしてと言う岳だった。
「食いもの買わないとな」
「さもないと後が大変よ」
「そうだな、冷蔵庫空だからな」
「しかもインスタントラーメンもないから」
「缶詰もだよな」
「本当に何もないわよ」
家にはだ、本当に食べるものは何もだというのだ。
「紅茶とコーヒー位よ」
「その二つで生きろっていうのもな」
「無理だからね」
「昼も食ったらな」
「スーパーに行って大量にもの買いましょう」
「一旦部屋に戻って車のキー取って駐車場から車に乗ってな」
「そうしてスーパーに行きましょう」
こう言うのだった、そしてだった。
岳と菫はまずは遅いモーニングを食べた、店を出た時にはもう昼前だった。岳はその時間も見て菫に言った。
「すぐに昼飯だな」
「何か朝とお昼が一緒になってるわね」
「というか昼飯第一ラウンドか」
「そんな風になっちゃったわね」
こうした話をしながらだ、今度は吉野家に向かう二人だった。そうしてそこでも食べるのだった。二人のある日の休日のことである。
パンとコーヒー 完
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