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ダークサイド
第四章
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「色々とご教授下さい」
「そうさせて頂きます」
 こう話してだ、そしてだった。
 アラコジは夫人に接近ししかも気に入れられることに成功した、全ては彼のその甘いマスクと気品のある物腰故に。そして。
 夫人と何度か会いだ、遂に。
 夫人も篭絡することが出来た、その中で。
 アラコジはベッドの中でだ、彼と共にいる夫人に問うた。
「今夜はですね」
「はい、大丈夫です」
 こう彼に言うのだった、夫人は。
「子供は寮に入っていますし、学校の」
「ご主人もですか」
「主人は出張しています」
 夫人はただこう言っただけだ、だが。
 アラコジはこれでわかった、まさにスパイの直感でだ。よく見れば彼の目がここで光ったことがわかった。
 だが夫人は彼を学者だと信じ込んでいた、だから気付かないまま言うのだった。
「ですから今夜は」
「これからもですね」
「二人で過ごせます」
 まさに朝まで、というのだ。
「このまま楽しみましょう」
「それでは」 
 アラコジも話に乗った、仕事だが夫人の身体は楽しんでいた。それでだった。
 二人で夜を過ごした、その中で。
 彼は夫人から夫である次官が最近出張や職場にいることが多く家では寂しい思いをしていることも聞いた。アラコジにとってはこれで充分だった。
 夫人との夜の後だ、彼は。
 密かに同じ諜報員と喫茶店で接触してだ、密かに言った。
「次官はよくウクライナにいる」
「現地でか」
「ウクライナかロシアとの国境にだ」
「そしてそこでか」
「『仕事』をしている」
 国防次官としてのそれをというのだ。
「次官自ら足しげく現地入りしている」
「尋常な事態じゃないな」
「軍事介入なら軍人だけで充分だな」
「ああ、次官は文官だ」
 同僚も彼に応える、スプーンにすくったジャムを舐めつつ紅茶を飲みながら。
「現場に出ることはない」
「その次官が何度も現地入りしている」
「政治だな」
「ああ、政治的な動きだな」
「しかも出張していなくてもか」
「国防省に缶詰だ」
「相当なことが水面下で行われているな」
 同僚も頷いて言った。
「それなら後はか」
「ウクライナの方にいる連中の仕事だ」
「わかった、しかしな」
 ここで同僚はアラコジに問うた、自分と同じくジャムを舐めつつ紅茶を飲んでいる彼に。
「そうした情報は何処で手に入れた」
「私のいつものやり方だよ」
 あっさりとだ、アラコジは答えてみせた。
「いつものね」
「ジゴロか」
「聞こえが悪いな、私は軍人だ」
 ジゴロではなく、というのだ。
「国家の為に働いている」
「やっていることがだ、そのジゴロにしてもな」
「悪いジゴロか」
「ああ、金をせびらないだけにな」
「給料を貰ってるからな」
 それで、とい
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