三十四話:白龍皇
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記憶にねえんだが」
「えぐっ!酷いよ!僕はイッセー君に貰ったリボンをずっと大切に持ってるのに!!」
泣きじゃくりながら髪を纏めてあるリボンを指さすガキ。
そして、冷たくなる俺を見つめる視線の数々。
一つだけ『言葉責めも良いですわ!』というのがあるが無視だ。
そしてイリナは
『私はプレゼントなんか貰ったことがないのに…!こうなったら奪うわ!!』
と言っているので素直に怖い。今度イリナには何かプレゼントをやろうと固く決意する。
「イッセー君のバカバカバカバカバカバカバカバカ!!」
何やら叫びながら俺の胸をポカポカと殴り続けるガキ……はあ、面倒くせえな。
諦めて、ガキ―――ヴァーリの頭を撫でる。
「ふぇ?」
「忘れてて悪かったな、ヴァーリ。謝るから泣き止め」
泣いていたので涙目上目づかいで俺を見上げるヴァーリ。
……この仕草は強力だな。クロームも偶にやるがこれには逆らえねえからな。
「もう、てめえの事は忘れねえから機嫌直せ」
「本当?」
「約束は破らねえ」
ジーと見つめてくるヴァーリの頭をなおも撫で続けるとその内気持ちよさそうに
目を細めて俺の方に寄りかかってきたので受け止めてやる
………確かに胸だけはガキじゃねえな。
「ありがとうね、イッセー君」
しばらくして気が済んだのか顔を赤らめながら俺から離れるヴァーリ。
はあ……これで厄介事が一つ終わったな。
「今日はイッセー君と敢えて嬉しかったよ……えへへ。それじゃあ、またね」
「………けっ、てめえが生きてたらな」
「イッセー君とまた会うまでは絶対に死ねないもん。行くよ、アルビオン!」
それだけ言い残して再び鎧に身を包み飛び立っていくヴァーリ。
まあ、何だかんだ言って嫌いな奴じゃねえな、ただし―――
『ヴァーリ、そっちの道は逆だ!』
「え?僕、また間違えちゃったの!?イッセー君、助けて!」
「白トカゲにでも聞け!!」
凄まじく面倒くせえ!!
はあ………疲れた、コカビエルを相手にするより絶対疲れた。
厄介事は終わったんだ今日はとっとと帰って寝るか―――
「イッセー君、ちょっと校舎裏まで来てくれない?」
「イリナ……分かったから、まず殺気を抑えてトンファーを下ろせ、話はそれからだ」
訂正、一番やばそうなのが残ってた。
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