九校戦編〈上〉
駐車場での会話
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訳ではない。弘一と真夜との間には会長よりも前に二人を生んでいると言う訳で、長男と次男がいる。この二人も生まれてからしばらくすると、俺の部下だと言う事だったが次元パトロール隊第1課の者なので葉山さんの部下という事だ。十師族直系といっても、まだ高校生の三番目の妹まで家の仕事に駆り出されるような事態は少なくとも頻繁ではない。今回の俺に対する事と別件で十師族の仕事をしていたとでも言おうか。
「それより一真君はバスじゃなさそうね、あそこにいるの深雪さんでしょ?」
「ええまあ、俺が今回運転するんでね。それにこちらの情報では何らかの事件に絡まれそうだ、という直勘が働いたら俺の部下が上空と地上で警備するんで」
「あの車がねえ、何だか派手ね。まあ一真君の処遇については、バス内で説明をするから問題はないと思うわよ。まあ一応CBとしても頼むわね」
選手四十名、作戦スタッフ四名、技術スタッフ八名と選手兼技術スタッフの俺と選手の深雪は俺の車で行くつもりだ。作戦・技術スタッフ以外に、会場外でのアシスト要員として有志二十名が組織されているが、彼らは別ルートで現地に向かっている。現在この場に教師はいないが、大型バスに作業車両四台のこのキャラバンで移動するのは、運転手を除けば正式スタッフだ。
「ところで一真君、これ、どうかな?」
これと言われたので、俺は即理解した。会長が着ているサマードレスの事だろうな、深雪が着ているワンピースより露出度は同じくらいだが体格に合っているのかとても似合っていた。ま、深雪は暑さで車で待機してと言ったが降りてきてこっちに来たのだった。
「会長のサマードレスも素敵ですよ」
「深雪さん!深雪さんも結構露出しているのねー」
「深雪と同じくらい露出度はありますけど、会長には会長の色気を持っていますのでバス内にいる男子達には誘わない方が身のためですよ」
幅広の帽子を両手で押さえていたが、深雪の格好をバス内から見ていたエイミィ達だった。それを見た男子達は顔を赤く染めていたので、俺の冷たい視線をバスに向けると即視線を逸らした男子とエイミィはバスから降りてきて深雪と話していた。
「通りで深雪の荷物がないと思ったら、一真さんと一緒に行くのか〜」
「いいねえー、兄妹は」
「エイミィもスバルも拗ねないの、会場に着いてからはしばらく自由時間だと思うがな」
今日は宿舎に入るだけだから、公式行事はないので私服を着ている。制服着用の義務付けられてないからだ、一年生で私服着ているのは俺と深雪だけであとの者は全員制服を着ている。二年生は半数以下で三年生に至ってはそれでも公の席では肌の露出を抑えるべし、という現代流の服装マナーが染みついているのか、委員長は風通しの良い長袖シャツに踝まである薄手のパンツという感じだった
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