第16話
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つが人間界のRPGで使われるような光や白の魔法といったものを使える。そういったものも参考にしているみたいだったがな。その実験台として俺との模擬選だよ、まったく……」
―――「え? 悪魔な上にフェニックスだろ? 疑似的な不死だろ? ちょうどいいサンドバ……ゲフン、実力のあるライザーだから頼んでるんだよ」
―――「ちょっと待て!? 今サンドバックと言いかけただろ!?」
と、若干顔を青く染めるライザーを見て引いた。
秋人、いったい何しちゃってんの!? フェニックスがサンドバックとかその発想はなかったけど、思考が危ねえよ!?
けれど、次の一言で俺の顔はライザーと同じように顔色を変えることになる。
「おそらく近いうちにお前も俺と同じ目にあうだろうから頑張れよ」
「なん……だと……」
「わけがわからないといった顔してるが大有りだぞ。お前、洋服崩壊だったか? それをうちの兵士三人に使っただろ。あの三人は特に秋人と仲がいいんだよ」
「oh……」
やっちまった……やっちまったぜ……
秋人のことだからマジであり得る。
昔から身内には甘々な奴だから……あれ? 俺、もしかして二度目の死の危機?
「……拝啓、熟睡中のお父様お母様。先立つ不孝をお許し下さい」
「そうならないように頑張れ。死ななきゃフェニックスの涙で治してやる」
これも経験だと優しく肩を叩かれた俺の中には最初の頃に抱いていたライザーへの黒い感情はすっかりなくなっていて、その代わりに近い未来に二度目の死という経験をしてしまうかもしれないという絶望がじわじわと広がっていた。
――――――――――――――――――――
体が重い。
そんな違和感で目を覚ました。
体に何かが乗っかっている感覚があるうえに掛け布団に不自然な凸凹、なんというデジャブ。
またイルとネルかと思いながら魔法で掛け布団をどける。
「……今度はお前らか」
腕を抱くように右半身に体を預けている白音。
反対側には控え目に袖口を摘まみながら体を丸めて眠るレイヴェル。
白音はともかくとして、
「レイヴェルが潜り込むなんて珍しいな」
女の子が潜り込んでくるシチュエーションが普通はあり得ないわけで。
だがしかし、幼い頃から繰り返されてきたために感覚が麻痺している。
そういえば、イルとネルで思い出したが一誠のやつ、どうしてくれようか。
学校を後にする前に退場者たちのいる部屋に行ったのだが、イルとネル、特にミラはふさぎ込んでいたそうだ。
そういう風にシュリヤーたちに聞いた。
そりゃそうだろ、故意に試合でマッパにされて恥ずかしさのあまりに退場してしまったなんて悔しさやら恥ずかしさやらで心の中はごちゃごちゃだろう。
だから、
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