下忍編
軽率
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これはまずい。非常にまずい。
カトナに結構過保護な彼のことだ。発覚すれば、すぐさま、病院におくられる。失格にさせられるではないか。
ならばチャクラを使って回復するか。これは駄目だ。連戦でチャクラを消費してしまった。回復するほどのチャクラが無い。
サクラに治してもらおうにも、残念なことにサクラの技術では自分の鼓膜を治すことはほぼ不可能だろう。むしろ間違ったところを串刺しにされて、耳から血が流れて二度と聞こえなくなるかもしれない。リスクが高すぎる。これも却下。
結果、今の誤魔化し続けるしかない状況になっているのだ。
何とか、自分の番まで誤魔化せれば…と、サクラやサスケに続いて席を探しに行こうとした時、パネルの片方が、自分を選んだのを見つける。
ナイスタイミングだと、自分の幸運にガッツポーズしつつ、二人にひらひらと手を振る。
「…いってくる」
「勝ってきなさいよー!!」
「さっさとすませろよ」
その言葉にあえて何も返事をせず、さっさとフィールドに立ったカトナの前に、どうやら対戦相手らしい男が立つ。
どんな敵だろうとさっさと終わらせて、カカシに報告をしてさっさとこの場を退場させてもらおうと、審判の男が合図らしい行動をとったのを境に、いつもの慣れた様子で背負っていた大太刀を抜き、構える。
にやにやと、覆面の下で笑っているらしい男に、違和感を感じながらも、慣れた接近戦に持ち込もうと駆け寄った瞬間、それを予測していたとでもいうように、同じく接近した男の手が、カトナの首を無造作にぐいっと掴んだ。
一瞬、呼吸が詰まるが、取り立てて不便ではない。
忍術…ではない。
体術にしてはお粗末。
何らかの手立てがある筈。引きはがした方がいい。
一瞬のうちに、カトナの思考が最善の方法を選ぶ。
背中の後ろで、両手で握っていた大太刀を片方だけ離す。と同時に、大太刀を片方の右手だけで振り回した。
そして同時に左手は男の鳩尾を殴ろうと、腕に力を入れた。
この時、カトナは気が付かなかった。
男の手に、自分のチャクラが吸引されているという事実に気が付かなかった。
しかし、カトナ自身は気が付かなくても、カトナの体はそれに勝手に対応した。
現在のカトナのチャクラは、限界に近かった。今も尚、封印と変化の術の為に数少ないチャクラを送り続けているのだ。中々チャクラの総量は回復せず、分身の術一回すら満足に出来ない状態である。
そんな状態でチャクラが吸われたら。
そして否が応でも、その赤いチャクラが、引きずり、出され。
九尾のチャクラが、その腕の中に流れ込む。
悪意という悪意が煮詰められ、生理的恐怖すら感じさせるチャクラが、何の経験もない男のチャクラの経絡系に、叩き込まれる。
それはまるで最早暴力のよ
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