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唯一無二の不確定因子
第一八話 悔いなき選択
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ていた。

「部屋に・・・・・・戻ってるから・・・・・・だから・・・・・・一人にして・・・・・・」

「今のアリスに届くのはリオンの言葉だけだ・・・・・・」

 その二つの言葉がアスナを悩ませていた。一人しておくべきか、それとも追いかけるべきなのか。
 しかし、いくら考えても答えはでない。だからアリスの立場だったらと発想の転換をした。アスナとアリスは二年間一緒にいたことで、お互いがどんな性格なのかよくわかっているから。

 ――――アリスは私にはいつも、やりたいこと、言いたいことがあったら遠慮なく言ってた。だから今回も本当に一人にしてほしいんだろうな・・・・・・)

 心のどこかで分かっていた。それでもすぐに追いかけたかった。キリトに叫んだ時は、冷静になれず、聞く耳を持つことができなかった。だが、今は頭がしっかり冷えて、他のことも考えられた。
 アリスの意思を尊重すること。それと、もしアスナがここで一人帰ったとしても、キリトたちは軍の人達を追いかけるだろうということを。あとから軍の人達とともに、キリトたちまで未帰還だ、などという話を聞かされたら、自分までもあんな状態になるだろう。
 それだけは避けなければならない。そうなってしまえば、アリスを支える人がいなくなってしまうから。
 アスナは目を閉じる。答えは出た。悔いが残る選択はしたくない。

「私もいく」

 開かれた目には先ほどとは違い、強い意志があるのをキリトは見て、少し笑みを浮かべた。

「わかった。じゃあ行くぞ」

 キリトはそう言うと、みんなを先導するように前に立ち、上階へと続く通路へ歩いて行った。

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