マクロスF
0813話
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判断出来ないというのは難しいでしょう」
「けど、俺が聞いた情報によるとシャドウミラーの機体はバジュラ戦役の時にミュートスから宇宙空間に幾度も転移したという話を聞いたぞ?」
「……それが事実なら、是非欲しいな」
「だが、あまり強く出る事が出来ないのは痛い」
「ああ。何しろ、シャドウミラーとしては無理にこちらと関係を持つ必要が無いと公言しているからな。それに……奴等の戦力はバジュラをも圧倒したと聞く。そんな相手とまともにやり合える訳が無い。もしそれで勝てたとしても、こちらが莫大な被害を受けて得るものが何も無いとなれば、骨折り損のくたびれもうけどころでは済まないぞ?」
「そうだな。特にアクセル・アルマーの乗っている機体、ニーズヘッグはマクロス・ギャラクシーを文字通りの意味で完全に消滅させるような能力を持っている。ここはやはり強硬姿勢ではなく、融和姿勢の方がいいだろう」
貴賓席の方から聞こえてくる会話。
向こうとしては小声で話しているつもりなのだろうが、人間よりも遙かに鋭い五感を持つ俺には普通に聞こえている。
そして、貴賓席で話している者達のうち数人がこちらへと視線を受けてくるのを、笑みを浮かべて受け止める。
会話が聞かれているとは思っていなくても、思うところがあったのだろう。ギクリとして一瞬固まる政治家や軍人達。
同時に、タイミングを計ったように再びオウカの声が響く。
『さて、言葉だけで言っても信じられる人は少ないでしょうから、実際にその目で確認して貰いたいと思います。……では、皆さん、ニヴルヘイムにご注目下さい』
その言葉を合図に、政治家や軍人達はどこかほっとしたような表情を浮かべてニヴルヘイムへと視線を向ける。
そして、システムXNの特徴でもある光りの繭のような転移フィールドがニヴルヘイムの中心部分から生成され始め、やがて全高5kmはあるニヴルヘイム全てが光の繭で覆い隠され……次の瞬間には、こちらの視線から完全に姿を消していた。
周囲がざわめきで満ちる中、再びオウカの声が響く。
『では、こちらの映像モニタをご覧下さい』
会場の中心部分に展開される映像モニタ。そこに映し出されているのは、宇宙空間。下の方に見える惑星は、このミュートスだろう。
そんな宇宙空間に、突然巨大な光の繭が現れ……その繭が霞の如く消え去った後に残っているのは、ニヴルヘイムだけだった。
『ご覧のように、ニヴルヘイムは惑星上からでも自由に転移が可能です。また、あのような外見ですが、周囲を多種多様なバリアで覆っている為に空気の流出も起こらずに宇宙での活動も可能です。また、ニヴルヘイムの中では常に1Gの重力が発生しているので、突然宇宙に出ても無重力によって身体が浮き上がって混乱する……というような事はありません』
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