第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
26.Jury・Night:『Shadow General』
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姿勢を崩さない駆動鎧達を。
『ふん……刀か。馬鹿め、そんな時代錯誤な武器で!』
『学園都市の粋たる、科学の力に!』
『敵うとでも夢想っているのか!』
示し合わせたかのように、其々が区切り区切りで構えを取る。ついでに、殺傷力の抑えられた電撃棒とか衝撃砲とかを構えながら。
まぁ、気持ちは分かる。レベル20以上の勇者がスライムを甚振るようなものだ。
《ほうほう、これは愉快に思い上がっておるわ……あの“海道一の弓取り”とかホザいたおじゃる大名を思い出すわ》
「煩せェ、気に喰わねェならとっとと斬り伏せりゃ良いだろ、『長谷川 国重』────」
負ける訳の無い敵を嬲って楽しむ。なるほど、人間に普遍の感情だろう。
その不遜な態度に、『悪心影』が不愉快を返す。同意だ、全く持って。だが、ならば……この『刀』がやるべき事は、ただ一つ。
《……呵呵。言われてみれば、その通りであるか》
悪辣な笑みに、悪辣な快哉が返る。本質として同じなのだ、この担い手と刀は。
『はっ、バカバカしい……それでカッコつけてる気かっつーの』
『やっぱ今ァ、超ブち殺してェってなもンですがねェ!』
他人がどう思おうが、我が意を通す。『真如波羅蜜』、ただそれのみ。
「さぁ行くぜ、『長谷川国重』……俺達の敵は、あの三機の木偶の坊」
《はっ……軟弱な鉄よ。思いも、願いも、魂も籠らぬ。軟鉄風情が、目障りな》
当たり前ではある。戦国の世では、鉄とは命懸けで造り、命懸けで加工していたもの。しかしこの華やかなりし現代では、鉄など在って当たり前。無感情な機械が、無感動に精錬しているに過ぎぬ。よく、彼の義父もそう嘆いていた。『最近の鉄に、息吹はない』と。
『ハッ! どちらが軟弱か……この一太刀が証明しようぞ!』
その内、一機が走る。片腕に、電撃棒を構えて。『長谷川国重』の五、六倍はある太さの、帯電する鋼の凶器を携えて。
そんな偽物の鋼を前に、嚆矢はゆるりと右手を突きだした。最も得意なその構えの後、左手で鯉口を切りながら、まるで舞でも舞うように刀の柄に手を掛ける。
交わりは、僅かに一回。耳障りな程に甲高い、鋼を断ち割る音が木霊して。走り抜けた駆動鎧、一歩も動かずに。
電撃棒ごと、真っ二つに割られた駆動鎧から、つい今さっきまで生きていた血飛沫が撒き散らされ、嚆矢の全身を彩る。その背後の陽炎すらも。
「“織田弾正信長”が佩
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