第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
26.Jury・Night:『Shadow General』
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れば型落ちの払い下げ、数世代は前の物だが、装甲車程度ならば相手にもならない。
「さて、兎も角、あの玩具の兵隊達をどうにかしない事には超脱出不可能です。しかも、足手纏いも超増えましたし」
『ニャハハ、そりゃあ、そのほっそりとしたお御足になら幾らでも纏わり付くニャあゴッ! 冗談ですニャアゴ……』
吐き捨てた最愛に、空気を和らげようと巫山戯てみたら『窒素装甲』を貰った。右膝の鋭い一撃が、割とマジに右脇腹を抉って。
そう、幾らこの大能力『窒素装甲』でも、駆動鎧までは厳しかろう。しかも多勢に無勢、むしろここまで耐えた最愛の戦闘能力こそが大したもの。
────だとしたら、どうするのか。この場を乗りきる方法は、一体何か。
また、壁でも抜けて逃げるのか?
涙子の時のように、最愛を抱えて逃げる? それも手だ、それも有りだろう。
「……否。決まってるか」
「ジャーヴィス……?」
だが、それでは駄目だ。涙子の時は、それで『全て丸く収まった』から。だが、今回は違う。
もし、成果なく戻ったりすれば……懲罰を受ける事になる。己一人ならばそれも可だが、フレンダと最愛の二人までもが懲罰を受けよう。暗部の懲罰────その意味するところなど、僅かなもの。
────それの何が悪い。そもそも、その二人とて闇に生きる者。刃の報いは己に返るもの、奪う者もまた奪われるもの。覚悟くらい、当にしていよう。
それを……自己の観念の為に。他者の意地を踏みにじろうと。浅はかな話であろうに。
確かに、確かに! それが摂理、それが真理だ。だが、だが────
「女の子に優しくする。それが、俺だ────」
自嘲と共に、仕組まれた自問自答を打ち切る。結論は、詰まり『自己矛盾』であり『二律背反』、そして『懊悩葛藤』。
『呵────』
他人の意志を尊重しない言い訳に、自分の我儘を通す。その、有り得ざる無様。見苦しい、聞き苦しいと、良識の在る人間ならば断じよう。
しかしてそれは、紛れもなく純粋無垢な、偽りも誇張もない本心であり────対馬嚆矢という男の、紛う事の無い絶望で。
『呵呵呵────呵呵呵呵呵呵呵呵、呵呵呵呵呵呵呵呵、呵呵呵呵呵呵呵呵、呵呵呵呵呵呵呵呵、|呵呵呵呵呵呵呵呵《かっかっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ