第136話 南陽郡太守襲撃
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正礼と知っての狼藉か!?」
正宗は美羽を守るように引き寄せたまま、前方を塞ぐ賊の一人を睨みつけた。一瞬、賊達は正宗の言動に動揺した様子を見せるが、直ぐに平静を取り戻し帯剣を抜き放った。正宗は前方に立ち塞がる賊達八人の反応を確認するなり後方を一瞥し後方にいる賊達を確認した。その時の彼の口角は上に釣りあがり、獲物を捕らえた狩人のような表情だった。
「面白い。美羽、絶対に動くなよ」
「はい!」
美羽は正宗の言葉に緊張しながらも元気な返事を返した。それと同時に十八人の一団が襲撃を掛けてきた。正宗は振り向きざまに後方に向けて双天戟を構え一撃を放った。
「振雷・零式!」
正宗の言葉と共に後方に凄まじい光の奔流が怒涛の勢いで放たれた。光の通ったなぞるように地面が抉れ道が作り出されていく。その先にいた賊十人は突然の出来事に対応できず光に飲み込まれ声を挙げる間も与えられず一瞬で絶命した。そこで光は止まることなく、その後方にある壁を突き破り空き家三軒を倒壊させ止まった。生き残った賊八人はあまりの出来事に動揺していた。それを見逃す正宗ではなかった。正宗は双天戟を地面に突き立てると、腰に帯剣する片手剣を抜き放ち、生き残った賊達に襲い掛かった。一人一人と急所を狙い仲間達を瞬殺していく正宗に賊達は恐怖し及び腰になっていた。既に生き残った八人の内の四人は正宗によって物言わぬ骸と化していた。
「お前たちの頭は私の初撃で死んだようだな」
正宗は酷薄な笑みを浮かべ、生き残った賊達を睨みつけた。
「選択肢をあたえてやろう。誰の命で私達を襲った。正直に吐けば命だけは助けてやろう」
残り四人の内三人は何も答えず逃げ腰になる中、一人だけ気合を入れるかのように大声を上げ正宗に勢いよく斬りかかってきた。だが、その剣筋が正宗を捉えることはなかった。正宗は斬りかかってきた賊の足をへし折り行動不能にすると戦意を失った三人を惨殺した。三人は碌な抵抗もできなかった。
正宗は周囲の気配を探り、敵の気配がないことを確認すると行動不能にした唯一の生き残りである賊に近づいた。賊は激痛であるにも関わらず、正宗から逃げようと地面を這っていた。正宗は賊の顔を覆う布を乱暴に剥ぎ取った。
「女か」
正宗は険しい表情で女を睨みつけた。その女は体を震わせながらも正宗のことを睨みつけていた。
「何故、私達を襲撃した!」
正宗は殺気を放ち女を厳しい声で詰問した。美羽も正宗の暴れぶりに惚けていたが、正宗が女を詰問し始めると覚醒したのか正宗の元に駆け寄ってきた。
「お前の名前は?」
女は何も喋らなかった。正宗は女の足に視線を向け片手剣で斬りつけた。女は苦痛に悲鳴を挙げるが正宗は眉一つ動かさず女を睨みつけた。
「もう一度
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