第05話 任務:まるゆよ、伊号潜水艦ズに負けるな!
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ズ。
「打ち方やめー。潜水艦ズ、ちょっといいかぁ」
発射寸前で呼び止められ、海の上でふらふらと身を揺らす潜水艦ズ。
伊168は声がした方に顔を向けると、そこには雷と、その背後に隠れているまるゆを見つけた。
「いったい何の用かしら? 私達の訓練を中断するような用事なのかしら、くちくズの雷ちゃん」
伊168はいぶかしげな顔をしながら海から上がる。
「わりぃね、たいした用事じゃないんだけどさぁ。ちっと集まってもらってもいいかなぁ」
雷はポケットに両手を突っ込んだまま、ロリポップキャンディを口の中で転がしている。
他の潜水艦ズも海から上がり、どこか高圧的な態度の雷を警戒しながら、雷の前に集まった。
「な、何の用でち? も、もしかしてまるゆちゃんの仕返しにきたでち?」
「んー? 仕返し? お前ら、まるゆに仕返しされるようなことしたのか?」
伊58は“んぐぅ”と口ごもり、言葉を失ってしまう。
「なんだか煮え切りませんね。はっきりと要件を言ってもらえます?」
伊8は人差し指でメガネを上下させて、にこっと雷に微笑む。
「潜水艦ズ、お前ら潜水艦は特殊かつレア度が高いから、提督に特別扱いされてるのはわかるよ」
「そうなのね! イクたち潜水艦は特別な存在なのね! だからこそ潜水艦としてのプライドというものがあるのね!」
伊19は胸を張って大威張りに言う。
「だけどな、提督はお前ら以上に、まるゆを特別扱いしてんだよ」
笑顔の伊8の頭にピキッと怒りマークが出現する。
「それは聞き捨てなりませんね。なぜまるゆちゃんが私たち伊号潜水艦よりも特別扱いされているのか、理由を話していただけます?」
雷はガリッとキャンディを噛み、バリバリとキャンディを噛み砕く。
「理由? そんなの一目瞭然じゃんか。お前らとまるゆ、決定的に違うものがあるだろう?」
潜水艦ズは頭の中をハテナだらけにして、自分とまゆるを何度も見比べている。
「違いなんて無いじゃない! どこが違うって言うのよ!」
伊168はいらいらしながら声を荒げる。
「いちいち口で言わないとわからないんか?」
雷は口に残ったキャンディの紙棒をプッと吐き飛ばした。
「いいか? お前らが着てる提督指定の水着はスク水だろ。だけどな、まるゆが着てるのは何だ?」
伊401は場の空気を理解していないかのように、あっけらと元気に答える。
「白いスクール水着だね!」
「そうだ、白スクだ。一般的にはな、白スクは紺スクよりもレア度が高いんだよ」
伊8の頭の中でズガーンッというショックな衝撃が走りぬけた。
「……レアカラーVerだと……そう言いたいのかしら?」
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