第05話 任務:まるゆよ、伊号潜水艦ズに負けるな!
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
面に肘と膝を擦りつけてしまい、すれた箇所はうっすらと血が滲んでいる。
「えぅ、ぅええぇぇう……」
まるゆはその場に座り込んでうなだれてしまう。
自分はどうしようもなく低能で、まるで役に立たない、ヨソ者である……そんな負の気持ちがまるゆに襲いかかる。
「おいおい、そんなとこでなにしてんだよ」
雷はロリポップキャンディを咥えながら、座り泣いているまるゆを見下ろしている。
「あ……雷さん……えぅぅ、うああぁぁぁんッ」
「おいおい、こんなとこで泣くなよ。怪我してるし、びちょびちょだし、風邪ひいちゃうぞ」
雷の顔を見た途端に、まるゆの中で我慢していたものが崩れてしまい、激しい感情が溢れ出てしまう。
「うああああぁぁぁんッ! ぅええあああぅんッ!」
大泣きしてしまうまるゆ。
「はぁ、しゃーねーなぁ」
雷はポケットから新しいキャンディを取り出して、まるゆの口に突っ込む。
「んむぅッ、んぐぐぅ?」
まるゆはきょとんとした顔をして雷を見上げる。
「ここじゃあなんだ。とりあえず私らんとこにおいで」
――――――
――――
――
自室のベッドに腰を下ろしている雷は、まるゆから事の成行きを聞いた。
そしてまるゆの傷に絆創膏を貼っている電は、まるゆの話を聞いて憤慨する。
「ひどいのです! まるゆちゃんが可哀相なのです! 人には得手不得手、長所短所があるのです!」
雷は腕組みをしながら、目を閉じて身体を揺すっている。
「雷お姉ちゃんもそう思うのです?!」
電に話をふられて、雷はゆっくりと目を開ける。
「このままってわけにはいかねぇか。しゃーねー、いっちょ話つけに行くかぁ」
雷はぴょんとベッドから飛び降り、すたすたと部屋を出て行ってしまう。
「おいてくぞ、まるゆー」
「え? ええ?」
どうしていいのかわからないでいるまるゆに、電は笑顔を向ける。
「雷お姉ちゃんにまかせるのです」
「あ……は、はいッ!」
まるゆはハッとして雷を追いかける。
「なんだかんだで世話焼きなのです、雷お姉ちゃん」
電はクスッと笑んでベッドの上に転がった。
――――――
――――
――
海辺にある射撃場で魚雷の発射訓練を行っている潜水艦ズ。
「イクの魚雷攻撃、行きますなのね!」
“しゅるるるるぅ……ちゅどどぉんッ!”
深海棲艦の絵が描かれた板に向かって魚雷を発射する伊19。
板はこなごなに破壊され、跡形もない。
「イク、大金星なのね!」
ドヤ顔になっている伊19、その横で次は私だと言わんばかりに魚雷の発射準備をする潜水艦
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ