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【艦これ】くちくズ
第05話 任務:まるゆよ、伊号潜水艦ズに負けるな!
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面に肘と膝を擦りつけてしまい、すれた箇所はうっすらと血が滲んでいる。

「えぅ、ぅええぇぇう……」

 まるゆはその場に座り込んでうなだれてしまう。
 自分はどうしようもなく低能で、まるで役に立たない、ヨソ者である……そんな負の気持ちがまるゆに襲いかかる。

「おいおい、そんなとこでなにしてんだよ」

 雷はロリポップキャンディを咥えながら、座り泣いているまるゆを見下ろしている。

「あ……雷さん……えぅぅ、うああぁぁぁんッ」

「おいおい、こんなとこで泣くなよ。怪我してるし、びちょびちょだし、風邪ひいちゃうぞ」

 雷の顔を見た途端に、まるゆの中で我慢していたものが崩れてしまい、激しい感情が溢れ出てしまう。

「うああああぁぁぁんッ! ぅええあああぅんッ!」

 大泣きしてしまうまるゆ。

「はぁ、しゃーねーなぁ」

 雷はポケットから新しいキャンディを取り出して、まるゆの口に突っ込む。

「んむぅッ、んぐぐぅ?」

 まるゆはきょとんとした顔をして雷を見上げる。

「ここじゃあなんだ。とりあえず私らんとこにおいで」

 ――――――

 ――――

 ――

 自室のベッドに腰を下ろしている雷は、まるゆから事の成行きを聞いた。
 そしてまるゆの傷に絆創膏を貼っている電は、まるゆの話を聞いて憤慨する。

「ひどいのです! まるゆちゃんが可哀相なのです! 人には得手不得手、長所短所があるのです!」

 雷は腕組みをしながら、目を閉じて身体を揺すっている。

「雷お姉ちゃんもそう思うのです?!」

 電に話をふられて、雷はゆっくりと目を開ける。

「このままってわけにはいかねぇか。しゃーねー、いっちょ話つけに行くかぁ」

 雷はぴょんとベッドから飛び降り、すたすたと部屋を出て行ってしまう。

「おいてくぞ、まるゆー」

「え? ええ?」

 どうしていいのかわからないでいるまるゆに、電は笑顔を向ける。

「雷お姉ちゃんにまかせるのです」

「あ……は、はいッ!」

 まるゆはハッとして雷を追いかける。

「なんだかんだで世話焼きなのです、雷お姉ちゃん」

 電はクスッと笑んでベッドの上に転がった。

 ――――――

 ――――

 ――

 海辺にある射撃場で魚雷の発射訓練を行っている潜水艦ズ。

「イクの魚雷攻撃、行きますなのね!」

“しゅるるるるぅ……ちゅどどぉんッ!”

 深海棲艦の絵が描かれた板に向かって魚雷を発射する伊19。
 板はこなごなに破壊され、跡形もない。

「イク、大金星なのね!」

 ドヤ顔になっている伊19、その横で次は私だと言わんばかりに魚雷の発射準備をする潜水艦
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