第05話 任務:まるゆよ、伊号潜水艦ズに負けるな!
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そろそろ時間よ。母港に戻しましょう」
伊8は上を向いて浮上する。
「はいはいでちー! 訓練おしまいでち!」
他の潜水艦ズ達も伊8を追うように浮上する。
「まるゆちゃん、戻ろう」
伊401はうなだれているまるゆの手を取り、浮上するように促す。
「あ、はい、そうですね」
まるゆは目に溜まった涙を拭い、伊401に笑顔を向けた。
母港に着いて海から上がった潜水艦ズは、あらかじめ用意しておいたバスタオルを手に取る。
そして身体と頭を拭きながら庁舎に向かって歩きだした。
「そういえばまるゆちゃんってさぁ、装備スロットが存在しないって本当? それって戦闘可能なの?」
伊168からの質問にムッとするまるゆは、少し強めの口調で答える。
「そ、それは! まるゆはレベル10を超えたので、ちゃんと雷撃できるです! 先制雷撃、雷撃、夜戦と3回雷撃できるのです! ……まだ装備スロットは開いていませんが」
「何も搭載してないのに、どうやって攻撃してるのでち?」
「いったい何を発射してるのね?」
「そ、それは! ……それは」
言い返そうと思ったまるゆであったが、怒りよりも悲しい気持ちの方が勝ってしまい、何も言えなくなってしまった。
そんな気の沈んだまるゆの気持ちを知ってか知らないでか、伊8はシレッと質問する。
「まるゆちゃんって確か、耐久力2でも中破なんでしょ? 耐久力1でやっと大破って、轟沈しちゃうよ?」
「やばっ! それって危ないじゃない!」
まるゆの隣を歩いている伊401は、朗らかに笑みながらまるゆに質問する。
「そういえばまるゆちゃんって、超がつく低燃費艇なんだよね! 1戦闘あたり燃料2、弾薬1で済んじゃうエコ艇なんだよね?」
「まるゆちゃんは小食すぎるのでち。もしかして拒食症でち?」
あはははははッと笑いだす潜水艦ズ。
まるゆの隣にいる伊401はまるゆの肩をポンと叩く。
「もう少し食べないと大きくなれないよ、まるゆちゃん!」
まるゆの胸がギュッとなる。
ひどく悲しい気持にさせられた。
きっと潜水艦ズには悪気などないのだろう。
少しからかっているくらいの気持ちなのだろう。
しかしまるゆにとってはコンプレックスなところを殴りつけられたようで、ひどく心が痛んだ。
「まるゆは海軍工廠出身じゃないから……お友達はできないのでしょうか……」
まるゆはダッと走りだしてしまう。
くやしい気持ちと悲しい気持ちが混じり合い、いたたまれなくなったまるゆはその場にいられなくなかった。
「あッ」
“ずざざぁぁッ”
涙で前が見えなくってしまったまるゆは、何もないところで転んでしまう。
地
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