第05話 任務:まるゆよ、伊号潜水艦ズに負けるな!
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ここは某国、某県、某市、某港にある、とある鎮守府。
この物語は艦娘と深海棲艦との凄まじいまでの激戦の記録……ではない。
戦闘さえなければ、艦娘達も普通のお年頃な女の子。
今日も提督と艦娘達によるほのぼのとした一日が始まる。
母港から少し沖に出たところで、潜水艦達が自主訓練をしている。
「ごーや、潜りまーすッ」
伊58は直進しながらスゥゥと角度をつけて潜水していく。
他の伊号潜水艦も次々と潜水していく。
海面に残っている伊401とまるゆ。
「まるゆちゃん、お先にどーぞー」
「そ、そうですか? じゃあ遠慮なく」
伊401に促され、まるゆは潜水を開始する。
“とぷんッ”
まるゆはその場で頭を沈めて、さかさまになる。
「んーッ、んんーッ」
まるゆはじたばたしながらお尻を沈めて、今度は頭を上にする。
「んんんーッ、んうーッ」
まるゆは更にじたばたして、また頭を下にしてさかさまになる。
「んんんぅーッ、ぅんんーッ」
まるゆは激しくじたばたしながら、頭を上にする。
こうしてまるゆは頭とお尻を交互に沈める動作を繰り返し、まるでシーソーのような動きをしながら徐々に沈んでいく。
「し、沈んでる?!」
海中からまるゆを見ていた伊号潜水艦ズは、まるゆが溺れてると思った。
海面からまるゆを見ていた伊401は、まるゆが沈没したと思った。
じたばた暴れながら沈んでいくさまは、潜水というよりは沈没である。
どうにかこうにか海中にいる伊号潜水艦ズの目の前まで沈んだまるゆは、伊号潜水艦ズに向かって爽やかな笑顔を見せる。
「まるゆ、潜水完了しました」
伊号潜水艦ズはエエエッと驚いてまるゆに詰め寄る。
「まるゆちゃん、それって潜水じゃなくて、沈没じゃない?」
伊168につっこまれ、笑顔をひきつらせるまるゆ。
「いえいえいえ、潜水です。立派に潜水ですよ?」
海面にいた伊401がスゥっと潜水艦ズの元に近寄る。
「上から見てたけど、あれは……残念ながら沈没だね!」
あっけらと言われてしまい、まるゆは涙目になって抗議する。
「そ、そんなことないです! れっきとした潜水です! “止まって沈む”、陸軍が誇る! 一歩先ゆく! 画期的な潜水法です!」
「陸軍が誇る、ねぇ」
伊168はジト目になってまるゆを見つめる。
「一歩先ゆく、なのね? いひひっ」
伊19は笑いをこらえて涙目になっている。
「画期的? でち」
伊58はプフッと笑いながらまるゆを見つめる。
あからさまにバカにされているまるゆは、ふるふると身を震わせながら涙目になって下を向いてしまう。
「
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