第2ヶ条
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ようなイケメンだ。ただ、すごく気さくなやつで俺も仲良くさせてもらってる。
「本当だよ。っていうか相棒って言うなよ。」
佐伯は笑いながら「間違っていないだろ」なんていうけど、俺は美山さんと付き合っているんだ。相棒っていうなら、花陽じゃなくて美山さんにしてくれ。なんて、心の中で呟く。
しかし、美山さん来るの遅いな。時計の針はもうすでに朝のホームルームが始まる5分前を指していた。早く顔を見たい。俺はソワソワしながら美山さんが来るのを待っていたが、一向に来る気配がない。
すると、教室の前のドアから担任の熊山先生が大きな体を揺らしながら入ってきた。それと、同じタイミングで後ろのドアが開き、美山さんが教室に駆け込んできた。
「美山。遅刻ギリギリじゃないか。早く席に着け。」
熊山先生の野太い声に美山さんは小さく頭を下げながら席へ座った。
挨拶するタイミングを逃してしまった。ホームルームが終わってから美山さんの所にいこう。そう思い、1時間目が始まる前の時間に美山さんの席へ向かう。
「おはよう、美山さん。」
俺は自分が出来る精一杯爽やかな声で美山さんに話かける。
「伊笠君。おはよう。…私トイレに行ってくるから。」
あれ?今、すごく避けられたような。ずっと俯いてて顔もよく見えなかったし。もしかして、速攻で嫌われたとか。いや、そんなはずは無い。俺はそう自分に言い聞かせて、その後も何度か美山さんに話かけるも、全て俯いてそっけない態度。さすがに放課後には俺の心は折れかかってKO寸前まで追い詰められた。
席でうなだれている俺の背中を花陽が叩いた。
「付き合って2日目でもう喧嘩したの伊笠。また変なこと言ったんじゃないの。早く仲直りしなさいよ。」
そう言うと花陽は部活に走って行った。
*****
その日の夜。昨日とはうって変わって今晩の俺は凄く気持ちがブルーだ。結局、今日は上手く美山さんと話が出来なかった。
枕に顔をうずめて動けない。昨日はあんなに笑顔だったのに、女の子の心の変化に着いていけないぜ。
その時、枕元に置いていたスマホが揺れた。
「あー、花陽か?」
俺はのそりと顔だけ起こしてスマホの画面を見る。そして画面に表示された名前を見て飛び起きた。
“美山美森”
俺は生唾を飲み込んでメールを開いた。
“今日は態度悪くてごめんなさい。正直に言うと、昨晩あまり寝れなくて目の下のクマが恥ずかし過ぎて。ごめんね。明日はちゃんとするよ。”
やばい。こんなメールずるいな。何だか今日の美山さんの態度さえも可愛く思えてきて、何度もメールを見返す。そして、きっちり今日も夜更かしをしてしまった。
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