第16話 中国と言えばカマキリというのは偏見ではない気がする
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ネを差し出した。
「あぁ、すまねぇな」
将軍はメガネを受け取り、顔につけた。
メガネを渡した衛兵とは別の衛兵は訊いた。
「どうでしたか?」
将軍は口元を歪めた。
「あぁ、いたよ。迅の野郎、豪と接触したみたいだ。
まったく、アイツは俺の“駒”だってのによぉ。クククッ
アッハッハッハハハハハハハハ!!!」
将軍は大声で笑い始めた。衛兵には将軍の思惑が全く理解できずにいた。
**********
「原因がわからないんです」
ほんの少しの沈黙の中、雨は言った。
全員の視線が雨に集まる。
「何故だい?」
迅は雨に訊いた。
「豪さんが採取した″種″に何かしら異常があるからじゃないかと思うんです」
「うーーん、異常ねぇ‥‥‥‥」
迅は腕を組み、考えた。
「もしかしてよぉ」
リオさんがつぶやいた。
「俺と同じなんじゃないのか?」
迅は眉をひそめた。
「どうだろうな。お前の場合は長い間吹雪にさらされたせいで
寒さに耐性があるけどなぁ‥‥‥それと同じかどうかは‥‥‥‥‥‥‥」
「え、そうなのか?」
ホークアイはリオさんに訊いた。
「でも弱点が多いんだ。暑さに弱いとか。
換装するときは肩に直接触れなきゃいけないとかな」
確かに、リオさんが換装するときはいつも右肩を露出させている。
「でも、この場所はそんな過酷な環境じゃないからなぁ‥‥‥‥あ」
迅は言葉を漏らした。
「‥‥何だよ、もったいぶらずに話せよ」
ホークアイは迅に問い詰めた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥わかった」
迅は答えた。
「″種″の作成に世代があるって博士が言っていたんだ」
それを聞いた雨が迅に訊いた。
「それは製造する上での過程という意味ですか?」
「まぁ、多分そういうことだろうな」
迅が説明を始めた。
「″種″を作るのためにかなりの犠牲者が出たらしい。
何の資料もない物を一から作り上げるんだからな。
それを作り上げた″スメラギ博士″は作成に得た過程を三世代で分けることにした」
話している途中にマリーはつぶやいた。
「もしかしてその″スメラギ″って人は悪い博士だったの?」
答えようとした迅の顔は何とも言えない表情をしていた。
「彼は‥‥‥‥良い人だったよ。犠牲になった全ての人の墓を丁寧に作り
毎日頭を下げていた。すまない、私の力不足だ‥‥‥ってね」
そういうと迅は目元を押さえた。
マリーは顔をうつむかせて言った。
「‥‥‥ごめんね迅さん、辛いこと思い出させて」
迅はいつもの笑顔を見せて言った。
「大丈夫。さぁ、それより続
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