九校戦編〈上〉
美月サイド×神霊魔法と水晶眼
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があれば教師や上級生が気付くはずだが、魔法科高校だから普通科学校よりも怪談話は向かない方だ。警報も出されていないから、美月の感じている異変は何らかの魔法が発動している現象なのか現代魔法では検知しない本物の怪奇現象か。ゆっくりではあるが、前へ前へ進んでいく美月を尾行している俺であった。導かれると何らかの匂いを感じた。
「この香りは、魔法薬学の実験で嗅いだ事がある匂いだ」
この匂いは鎮静効果を持つ複数の香水をブレンドした香りで、美月がここまで来たのは波動は薬学実験室へと続いていた。異常な霊子放射光は、生徒の誰かが実験をしているからなのか、怪奇現象ではないと美月も理解できた。ホッと一息ついたが、他人の魔法実験を行っている場合は招かれず立ち入ってはならないというのは、魔法実験の実習で最初に教わる注意事項である。発動中の魔法と招かれざる闖入者の魔法演算領域の干渉により、思わぬ魔法暴走が生じる危険性があるからだ。特に未熟な魔法師か術者の心を乱す行為をすると大きな危険があるからだ。
「誰かが魔法実験しているから、さっきのような波動があったのかな?」
美月の目の前には、扉の上に薬学実験室と書かれていたが閉ざされた扉を静かに開けたのだった。物音を立てないように見たら、思わず驚いてしまうところだったのを呑み込んで見たら実験室の中では光の球が見えたのだった。空中を踊り回っていたが、一つ一つの光は「力」があり「意思」があるのを感じた。自然界のエネルギーの分布は均質化されてなく、一方でもなく散ったり集まったり絶えず流動している事を美月は「見て」知っていた。泡となり漂う姿は見た事があると美月は思った。
「(あれはもしかして精霊・・・・?)」
あれが精霊というのだろうかと思ったが、その精霊を使役しているように見えた術者が見えた瞬間に呟いた。
「吉田君・・・・・?」
警戒心忘れてそう呟いたが、名前を呼ばれた方は驚きながらも美月の方向を向いた。ここは誰も来ないはずの場所で、誰も見ていないはずの「術」を見られた方としては。
「誰だ!」
条件反射に等しい一言だった。そこに込められた反射的な怒りに「光」たちの「意思」が反応した。美月が悲鳴をあげて押し寄せる光の球に目を閉じた。一方俺は美月の近くにいたが、術者が見る精霊が美月に攻撃しそうにしていたので俺はすぐに無効化の壁を美月の前で張って無効化した。その無効化という突風で美月はしゃがみ込む。
「一真さん・・・・」
瞼を開けるとそこには恐らく無効化の力で守ってくれたと感じた美月がそう呟いた後に、俺は前に進んだのだった。そして両手を上げるのだった。
「・・・・落ち着け幹比古。今ここでお前とやり合うつもりはないから、その殺気を閉じろ」
俺は何も持っていないという証拠で、両手
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