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日向の兎
1部
19話
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問題なくこなせるようになっている。
……が、次の水面歩行は私のみ失敗という結果になった。私は水の動きを把握して、それに合わせた形でチャクラをコントロールしようとするのだがどうやっても処理が追いつかない。
結果として動きさえしなければ波紋一つ立てずに水面に立つことが出来るのだが、一歩でも動けばそのまま沈んでしまう。
テンテン曰く、「役に立ちそうだけど全く役に立たない技術ね」
ネジ曰く、「ある意味で平常運転で安心しました」
リー曰く、「こんな事もありますよ!」
……君達、助言くらいくれてもいいんじゃないか?
習得できない事はないだろうが、中々に時間が掛かる事が目に見えているので、一時的な妥協の案として私の足元の水を弁財天の舞で動かして移動するという事になった。
一応、この水面歩行に関してはチャクラコントロールの問題ではなく私の性分故という事もあり、取り敢えず次の修行に移ることとなった。
身体の一部にチャクラを流す肉体の活性化の修行だが、テンテンの場合は忍具にチャクラを流すことで切れ味や投擲後の微調整を可能とする事が目的となっているので別の場所でやることになる。
次に柔拳を扱うので打撃の威力上昇ではなく機動力を上げる為に私とネジは主に脚部の強化を主に、リーは逆に脚部に関しては重りの鍛錬で十分な威力と速度を持っているので両腕の打撃力向上を主にする事となった。
「さて、それでは速さ比べとなれば鬼事が最適だろう。十数えてやる、ネジは私に捕まらないよう全力を尽くせ」
「……ヒジリ様が鬼ですか。リー、万が一の時は頼むぞ」
「骨は拾いますよ、ネジ」
「早くしろ。十、九、八、七……」
ネジは両脚にチャクラを込めて全力で駆け出した。五つを数える頃には通常の目では捉えられない程の距離まで行ったようだな。
そして、十を数え終えると私は靴を脱ぎ、リーに持っておいてもらう事にした。
「靴を脱ぐんですか?あの、僕は危ないと思うのですけど……」
「いや、一回おきに靴を壊す訳にはいかんだろう?」
「え?」
日向には八卦空掌という技がある。それはチャクラを掌から高速で撃ち出し空気諸共に相手にぶつける技で、拳法でありながら遠距離攻撃という変わり種だ。
何故この話をするかと言えば、今から私はそれを足でやるからだ。加えて回天の応用で、空気抵抗を減らすために正面にチャクラを膜状に放出する。
するとどうなるか…………全く曲がれない代わりに一足でネジに追い付けるのだ。
「えっ!?ひ、ヒジリ様、えぶしっ!?」
「すまん、止まれなかったので君をブレーキ代わりに君の体を…………ああ、もう聞こえてないか」
…………止まれないというのは色々と致命的だな。取り敢えず、気絶したネジを起こしてから試行錯誤せねばな。

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