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Sword Art Online 月に閃く魔剣士の刃
4 魚人の王
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トがトライデントをパリィ、片手剣でその何倍もあるトライデントを上にカチ上げる。

「そこおおお!!」

 空いた右足に急接近、ソードスキルは使わずに右上からの袈裟懸けと左から右への横斬りでHPバーをほんの少し削り取る。

「こっちもいるよ?」

 短剣を回収してから助走をつけて大きくジャンプ、右足にオレンジ色のライトエフェクトを纏わせ体術スキルである飛突を発動、腹部に膝蹴りをお見舞いする。
 そのままボスを足場にして飛び退き、着地すると待ってましたと言わんばかりにロードが斬りかかってくる。
 袈裟懸けを避けて剣を手首から斬り飛ばし、体術スキル、円舞脚を使い上段回し蹴りで吹き飛ばす。もはや乱戦模様になっていたが取り巻きはほぼ壊滅しボスのHPバーの三本目が半分まで削れていた。

「そろそろか?」

 退こうかとキリトに提案しようとしたところでいきなりキングが吠えた。轟くような野太い雄叫びとともに見たことも無い構えでトライデントを振りかぶる。
 そして構えられたトライデントがまるで血に染まったような赤色の光を纏い出した。
 そのままキングは自分の赤く輝いた得物を・・・俺目掛けてぶん投げた。

「何!?」

 まるで炎の如く真っ赤に染まったトライデントはターゲットに向かって超高速で飛んでくる。
 近くではあるが攻撃が届かない所まで距離を取っていたため安全だと思っていただけに、俺は虚を突かれて反応が遅れてしまった。

 間に合うか...?

 瞬時に弾道を予測するがこの距離ではステップは間に合うか分からない・

他に方法は...?

「シュンッ!!」

 ボスがトライデントを投擲してからコンマ数秒遅れてキリトが叫ぶ。
 しかしキリトと俺の距離は約5m。流石に間に合うことは無いだろう。

 ならば覚悟を決めて防御に徹してみようか?
 だがそれも叶わないだろう。なぜなら俺のビルドは準敏捷特化だからだ。

 右手の長剣、それもスピード優先のかなり軽い剣が装備出来る最低限しか筋力値が無いため必然的に防具は軽い防具になる。

 それも取り巻きにもいたロードの一撃で半分持っていかれるような紙装甲だ。

 そしてこんな大技だ。マトモに喰らったら即死は免れないだろう。

 俺はこんなとこで死ぬのか...?

 SAOに囚われたあの日、誰にともなく俺は誓った。
 生きてここから出ると...。

 まだだ、まだ死ねるか...!

 まだ生きたい、それを頼りに必死で頭を働かせる。

 意識する間もなく、思考速度が加速した。トライデントの動きが限りなく遅く、まるで止まっているように見える。

 もう回避する時間は残されていない。
 耐えるのは無理だ。
 盾もないから防御も無理。

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