マクロスF
0812話
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「さすがにアクセルだな。全員勝つ事は出来なかったか」
ラピエサージュから降りてきたコーネリアが悔しさと嬉しさが混ざったような複雑な表情で声を掛けてくる。
いや、実際に誰も彼もが俺の知っている1年半前に比べると相当に腕が上がっているのは間違いない。純粋な技量だけで言えば、ハガネやヒリュウ改でも一線級のパイロット……それこそキョウスケ、エクセレン、エルザム、ゼンガー、ギリアム、カイ、ライのようなトップクラスのパイロット達と比べても決して引けを取ってはいない。いや、寧ろ勝ってすらいるだろう。
だが、それでも……俺はシャドウミラーの戦力の象徴として、そしてシュウに勝った者として負ける訳にはいかない。
「色々と危険な場所もあったがな。特にあの閃光弾には意表を突かれた」
元々閃光弾のようなものは使う事が無かったというのもあるが、それでも皆無という訳では無い。
だが、俺自身が物理攻撃の効果が無い混沌精霊であると言うのに甘えていたという事もあり、あの閃光弾には良い意味で意表を突かれた。
何だかんだ言いつつ、俺も油断をしていたって事だろうな。
……なら。その油断を消す為にも、極限の状況に身を置くのが正しいだろう。
そう判断し、ある意味で丁度いいとばかりに周囲にいる、コーネリアを中心とした実働班へと視線を向ける。
「ん? どうしたんだ? 演習のメニューは全部終わったってのに、随分とやる気を出してるじゃないか」
俺の視線に何かを感じたのか、ムウが尋ねてきたその問いに頷く。
「ああ、どうせなんだからもう1戦どうかと思ってな」
「もう1戦? 3回連続で戦ったってのに、随分と元気だな。……どうする?」
ムウが視線で尋ねた先にいるのは、コーネリア。
その問いに数秒だけ考え、やがて俺に視線を向けてくる。
「確かにアクセル程の相手と戦うのは誰にとっても良い経験になるだろう。アクセルが問題無いのなら、こちらとしても願っても無い。……それで、誰とやるんだ? そっちで指名してくれて構わないが」
コーネリアの言葉に、すかさず立候補しようとしていたイザークとムラタ、オウカの3人が残念そうな表情を浮かべる。
……イザークとムラタはともかく、オウカ、お前まで……いや、その理由は何となく想像出来るんだけどな。
だが、安心しろ。俺が戦うべき相手はもう決まっている。
「全員だ」
「……は?」
その、間の抜けた声を上げたのは誰だったのか。実働班の誰かかもしれないし、あるいはこっちに近づいてきていたスティングかアウルのどちらかだったかもしれない。
だが間違いないのは、俺のその言葉にその場にいた全員が最初何を言っているのか理解出来ていなかったということだろう。
「だから俺1人とお前達全員だ。
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