第短編話
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ンの質問に答えた。とりあえずこんな状況を店外に見せる訳にはいかない、と店のドアを閉めるぐらいか、分かったことは。
「おっ、いいの持ってんじゃねぇか……! ちょっと貸してくれよ」
「ちょっと待て、クライン」
グイグイと押してくるクラインに、少し落ち着けとジェスチャーも交えてショウキは諭す。……ただしそうしながらも、その手にはしっかり黒いネコミミが持たれていた。
「――まずは店をフレンド以外立ち入り禁止にしよう。あと、エギルも連れてくる」
「おう!」
ガッチリとショウキはクラインは握手を交わすと、ショウキはリズベット武具店の設定を変更しながら、先程街中で会ったエギルを連れ戻そうとする。クラインはとりあえずキリトにネコミミを装着すると、赤いマジックから黒いマジックへと持ち替え、顔面を余すことなく塗り始めた。
「赤が映えるぜ!」
……リズが素材集めを終えて店に帰って来た時、何故か自身の店がフレンド以外立ち入り禁止になっていた。その変更権限があるのはリズとショウキのみであり、自分でない以上ショウキが変更したに違いないのだが、彼からは何のメッセージもない。
「何かやってるのかしら……?」
ゆっくりとリズベット武具店のドアを開け、リズは密かに店内の様子を窺った。なんで自分の店でこんなコソコソしなきゃいけないのよ――とも思いつつ。
「ダイイングメッセージはどうする?」
「アスナ……いや、あえてシリカにしとこうぜ」
店内はやけに薄暗い。話に聞くアインクラッドのフロアボス部屋のように、窓などを締め切りにして、ロウソクの火だけで部屋を照らしているらしい。そこからゴソゴソと怪しげな動作をしつつ、コソコソと小声でやり取りをするプレイヤーの姿が、三人。
「あとは記念撮影だな。ん? どうした、ショウキ」
「いや、何か気配が……あっ」
暗闇の中で比較的保護色になっていたプレイヤー――ショウキが、気配からリズの姿に気づく。そのまま連鎖的にエギルとクラインもリズに気づくと、ゆっくりとリズベット武具店のドアが開いていき、店内が光に包まれる。
「……あんたら……人の店で何やって――」
「悪いリズ」
「――――!」
店の惨状に叫びかけたリズの口を、軽やかな足取りでショウキが塞ぐと、その隙をついてエギルとクラインがリズベット武具店から逃亡する。リズが動揺から回復する直前に、ショウキもまるで忍者のように雑踏に消えていき、残されたのは一瞬でリズだけとなった。
「なんなのよアイツら……」
溜め息混じりに店のドアを閉めながら、リズは改めて店内の惨状を眺めた。薄暗い店内は、先述の通りロウソクの火だけで照らされており、床には血――赤いペンキ――で描かれた魔法陣や、何か
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