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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
06話 すれ違う想い
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骨子、設計思想の寿命なのだ。
今、日本ではF-4Jの強化改修の限界により退役が迫っているがその代替え戦力の調達に苦心している。
もう、対BETA戦でもAH戦でもF-4は戦力としてカウントできない旧型機なのだ。
やがて、いつか武御雷もそうなる日が来る。
「次世代を紡がねば篁にも日本にも未来は無いことは明白―――大尉が斑鳩閣下の申し出を受けるかすら分かりませんが、私はこの申し出を受けようと思います。」
「―――どれだけの人が、あなたの為を思って今、戦っているか知っていて言っているの?」
凛と澄ました瞳に、静かな怒りにも似た炎を宿し、恭子が言う。
唯依を大切に思う人々がどれ程に骨を折り、唯依が自分の足で立てるようになるまではと、父亡き後自分を見守ってくれていたか……篁唯依はそれを強く自覚している。
その大恩に報い、自分を大切にしてくれた人たちの喜ぶ顔が見たい……そんな素朴で切なる願いは唯依を動かす大きな歯車の一つだ。
だけどもと、それをまっすぐ見返して唯依が決意を口にする。
「はい、ですが、私の身の上を鑑みるに、この状況はいずれ必ず到来したでしょう。早いか遅いかの違いでしかありません。ならば、消去法ではなく自分の意思で選びたい。」
恭子の問いに答える唯衣。
武家は基本的に命令婚だ。ゆえに自由恋愛の末の結婚など有り得ない。――これの横暴を許せば高貴なる血の流出に伴い政争や、資産争いが絶えない事となり血族内での殺し合いが日常茶飯事となってしまう。
武家として生まれ育ってきた唯依はそれを重々承知している。かつての同期には幼少からの婚約者が居たものだって実際にいる。
「彼と添い遂げるつもり?」
「わかりません……まだ、その、あの方がどういう人かも全然分かりませんし。」
さらなる問いかけに言葉を濁す……徐々に顔の色を赤に近づけつつ。
「それは……そうよね。」
恭子が重々しく溜息をつく。
まだ、唯依と忠亮が出会って数時間……その中でまともに会話したのだって数分程度だ。
それで相手の何がわかるというのか。
「ご心配ありがとうございます恭子様…だけど、きっと大丈夫ですよ――弟思いの良いお兄ちゃんですから。」
そういってほほ笑む唯依、そこには悲壮の色は一片たりとも存在していなかった。
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