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東方魔法録〜Witches fell in love with him.
52 時計 silver and silver.
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俺は銀色の懐中時計についている鎖を持ち、催眠術を掛けるみたいに時計を左右に揺らした。銀髪幼女の目が時計に合わせて行ったり来たりする。
銀時計をポケットに仕舞うと、銀髪幼女は未練がましくポケットを見詰めていた。

どうやら、この銀髪幼女は珍品コレクターらしい。
しかも、刃物(ひかりもの)を見てうっとりしていて、色々な意味で危ない幼女だった。

判明したのはつい最近。
レミリアはこの銀髪幼女に「部屋は有り余ってるから何処か私室をあげましょ」とさりげなくカリスマを発揮し、質素だけど机、椅子、ベット、タンスを与え銀髪幼女の個室を作った。
そうして暫くすると、この銀髪幼女は自分が珍しいと思う物を部屋に集め始めたのだ。

燭台に食器、蝋燭、食糧、スプーン等々。特に多かったのは刃物類。屋敷中のナイフがあったのは驚きだ。
そんな収集癖のある彼女にレミリアは「無理に止めさせるのは悪手よ。こういうのは本人が飽きるまでさせるのが一番。本当に持ってかれたら困るものはちゃんと理由を言った上で止めさせればいいの」と大人の対応をしていた。
拗らせたらどうするのかと聞くと、その時はそのときと言っていた。躾ける気があるのか無いのか…。

そして拗らせたらと言うか、その結果がこちら。俺の銀時計をえらく気に入ったようで最近、屋敷を出るとき以外は行くのも付きまとわれている。

「あげないよ。これは思い出のやつなんだ」

パチュリーと海に行った時の。
幻想郷には海が無いらしいから、いっそう海での思い出をあげるわけにはいかない。パチュリーのビキニはいい思い出なんだ。
そう言うが銀髪幼女にはあんまり伝わらないようで欲しそうにポケットを見詰めている。盗まなくなったのは偉いけどもさ、諦めてくれないかなぁ…
俺達二人の様子を見守る?ようにしていたレミリアが言った。

「あげちゃえばいいじゃない」
「我ながら女々しいと思うけど、こればっかりはあげられないんだ」

レミリアは早くこの事態を解決してほしいらしく、なにかと投げ遣りだ。

「なに?どうしたの?」

俺を探して図書室から出てきたパチュリーがやって来た。

「いやね、この子がこの時計を欲しがっててさ」

ポケットから銀時計を取り出すと、二つの意味で銀髪幼女の目の色が変わった。
一つは獲物を狙う獣のように。
もう一つは目が赤色に変わった。

「…そうみたいね」

言葉を覚えたけど、喋る習慣がなかったのかあまり口で言葉を発そうとしない。
そうそう、この銀髪幼女にはまだ名前はない。レミリアは一人前になったら名前をつけるとか言ってた。しょうがないので俺は銀髪幼女と呼んでいる。

「パチェ、早く何とかしてくれない?」
「はぁ、これでどう?」

パチュリーは相違って賢者の石(
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