妖精亭-フェアリーズハウス- part4/ルイズ頑張る
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決まってる。でも、ルイズは思う。少しはあのバカ犬はご主人様の気持ちを考えてほしいものだ、と。サイトは恋愛経験がまるでないので呆れるほどの鈍感ボーイでもあったのだ。たとえ本人が認めなくても、ルイズがサイトを意識し始めていることに全く気付いていない。
「それに…後あの三人(シエスタ・ハルナ・ジェシカ)はお前さんにない武器がある」
「…あによ」
「胸」
「人間は成長するものよ」
「…お前さん、何歳になる」
「16よ。十分大人の女なんだから」
「…ああ、もう無理。期待するだけ無駄無駄無駄ァ!!…だな」
もしデルフが人間だったら、ここにシエスタやジェシカもいたら、きっとぷっと噴出していたに違いない。
「…そう、それが遺言ね」
ルイズは顔に影を作ると、エクスプロージョンの呪文を唱え始めていた。
「わ、わかったわかった!!俺っちが悪かったから!!」
弁解するデルフだが、ルイズはさらに呪文を唱え続ける。いくら長生きしすぎたからって、デルフは自分の命が消えると死への恐怖に駆られてしまう。
「け、けどよ、なして『あの犬』を惹きつける話なんだ?惹きつけるのは客だろ?客」
ルイズはそれを言われてハッとする。客を惹きつけチップを稼ぐための相談をしていたつもりだったのに。さっきまでなぜかサイトをメロメロにする相談をしていたことに気付いた彼女は顔を真っ赤にする。
「わ、わわわかってるわよ!た、ただ…あの犬が私じゃなくて他の子にばっか目移りするようじゃ、客を私の魅力で惹きつけることだってできないからよ!!」
なるほど、客よりまずサイトを誑し込ませることができないようじゃ、数多の客に自分の魅力をわかってもらえない、と言っているつもりのようだ。事実それは間違っていないが…。
「素直じゃないねぇ」
「溶かすわよ!」
デルフにもうさっきのルイズの怒りへの恐怖はなかった。刀身が震えていることから、人間でいう腹を抱えて笑いを必死にこらえていることだろう。
「ま、まあ…そうだな。お前さんは貴族だろ」
「ええ、そうよ!由緒正しきヴァリエール公爵家の!」
「んならよ、出せばいいのさ」
「出すって何をよ」
「高貴さ、ってもんだ」
「高貴さ?」
「そう、貴族じゃねえあの娘っ子たちにはない武器だ。貴族のお嬢様らしい大人しめの物腰やらオーラとか、そいつをフルに使ってみろよ」
高貴なイメージを使う…要するに、貴族の令嬢らしく物腰柔らかに相手と対応してみろと言うことなのだろう。後は、なるべくプライドが先出るあまり客に暴力を振うようなことがないようにすればいい。
そうすれば……。
『ルイズ…俺はやっと気づいたよ!俺の傍にこんなかわいい子がいたなんて!』
『ふ、ふん、今頃ご主人様の魅力に気づいたの?今更遅いのよ!
…って何よ!こ、こら…だめよそんなところ…犬のく
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