妖精亭-フェアリーズハウス- part4/ルイズ頑張る
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に、お姫さんはお前さんを信用してこの仕事を任せたんだ。そのために平民に交じって情報収集。宮廷内の連中から頼めそうなやつがいなかったから、お前さんに仕事が飛んだんだ」
「でも、だからって…」
ルイズはむすっとしていて、それでも納得してくれる様子がない。
「何もしてなくても、誰かが飯食わせてくれるもんだろうさ。けど平民ってのは、きちっと下らない仕事だってこなしておまんま食っているのさ。
相棒を思い返してみろよ。文句こそ言ってはいるけどちゃんと言われたことはきちんとこなす気概があるんだ。それに引き替えお前さんは…」
「…」
それ以上は言わずともわかる。いつもならぼろ剣のくせに説教するなと言うものだが、デルフがおちゃらけ度無の声での説教に、ルイズは言い返せなかった。さらにデルフは続ける。
「それに付け加えっけどよ、お前さんさっき怪獣をぶちのめすっていうのは簡単さ。けど、お前さんの今の精神力で、タルブん時みたいなでかい爆発、起こせるかい?いや…無理だろうさ」
「なんでわかるのよ」
「わかるさ。俺は元々初代ガンダールヴの剣だった。あまりにも昔過ぎて記憶が戻っちゃいねえが、虚無のことなら目覚めたばっかのお前さんよりも知っているつもりだぜ。
普通四代系統ってのは一日寝ときゃ次の日には精神力が全快する。けど虚無の場合はちと違う。四系統には休んで回復する精神力の量に限度ってもんがあるが、虚無はほぼ無限まで溜め続けることができる。そして溜めこんだ分を一気の放出することができるってわけよ。だからタルブの時みたいに、威力も他の系統とは比較にならねえこともあるのさ。
だがそれが同時に虚無の欠点だ」
「どういうことよ」
「溜めこんだ分、空っぽになるまで一気に消費しちまうのさ。今のお前さんの精神力じゃ、あの時と同じ『爆発(エクスプロージョン)』を唱えても、花火程度の威力しか出せないってことよ。それにお前さんの体に負荷もかかっちまう。下手すりゃ寿命も縮む。
力を過信したまんま怪獣相手に一人で飛び出しちまったら、それこそあの盗賊の姉ちゃんの時の二の舞になっちまうぜ」
確かに、こいつはやけに虚無のことに詳しい節があった。説得力は、そこら辺の奴の虚言よりもずっとある。
「役に立たないじゃない…」
でも、仮にデルフの言うとおりだったら、四代系統の魔法よりも使い勝手の悪い系統だ。
「ないよかマシだろうが。寧ろお前さんに命と魔法をくれたブリミルに感謝しとけ。もちろん、お前さんを助けてくれてる相棒や、この店に雇ってくれたオカマ店長によ」
「…わかったわよ。大人しく皿を洗うし、酌もしてやるし、もう殴りも蹴りもしないわ」
一応、口だけでもルイズは我慢をすることにしたが、すぐに不安に駆られた。
「でも、このままチップひとつ稼ぎきれてないんじゃ、任務どころじゃないわね…ど
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