妖精亭-フェアリーズハウス- part4/ルイズ頑張る
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いため給料から差し引かれたのだが、納得できるはずもない。一緒に働いている女の子たちはきっちり給料をいただいていたのに。すでに閉店した妖精亭のテーブルに腰掛け、ルイズは目くじらを立てていた。
最悪なことだらけだ。しかもさらに最悪だったのは、この日よりにもよって、学院でいつも通りメイドとして働いているはずのシエスタがこの店にやってきたことだった。
「まさか、サイトさんたちが叔父さんのお店で働いているなんて思ってませんでした」
思いもよらない形で想い人と再会したシエスタは驚いていた。そういえば、タルブ村に行く直前にシエスタと会話した際、彼女は叔父がこの街で店を営んでいるとは言っていたが、それがまさかあのスカロンだったとは…遺伝子マジで何をやってるんですか!?と二度目の突込みを入れた。……待てよ?シエスタって、確かフルハシさんの子孫なんだよな?………ってことは!!
(…フルハシさん、あなたの子孫は立派に生きてますよ…ええ、実に『立派』に…ふふふ…)
そう、ジェシカとシエスタはともかく、立派に男としての路線を外れて立派になった子孫が一人いるという事実に、憧れさえ抱いた母の亡き元同僚に涙ながらに思いをはせたサイトであった。運命とは時に厳しいものだと思い知らされた。
「でも、学院にも戻らないまま一体どうしてここで働いてるんです?ミス・ヴァリエールとハルナさんまでご一緒みたいですし…」
「それは、えっと…」
サイトは言葉を濁す。お姫様から任務を与えられたということはルイズのためにも明かさない方がいい。
「そういえば、ここ最近この付近の街で不穏な噂をよく耳にするんです。チュレンヌっていう貴族様の兵に逆らうと、新種の毒に侵されてしまうとか…」
まして、シエスタが今口にしている不穏な噂話の真偽を突き止めることも任務を果たすための条件にして、この店で働くこともそれまでの食い扶持稼ぎと客から事件に関する情報を手に入れるためでもあった。無関係なシエスタにこのことを明かすわけにはいかない。
「い、いや…その………!」
「メイド、それはあんたには関係ないわ。言っておくけど、このことは店の人たちにも内緒にしておきなさいよ」
「関係ないだなんて、そんな…!」
ルイズが会話に入ってきて、この任務のことを悟られまいとするためにシエスタにそう返してきたが、対するシエスタは不満だった。
「ミス・ヴァリエールはいつもそうです。サイトさんを酷使するだけ酷使して!たまにはお休みをサイトさんにあげたっていいじゃないですか」
「い…いいのよ!こいつは私の使い魔なんだし!」
「使い魔?本当にそれだけなのかしら…?」
恋する女はライバルに過敏、シエスタはルイズの意図をすでに見切っていた。
「な、何よ!何が言いたいわけ?怒らないから言って御覧なさいよ」
「そうですねえ…ミス・ヴ
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