その雨が恵みになると信じて
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の人が愛した人間達を。
―――――私の存在を私だと認めてくれるコイツ等を苦しめる事だけは、許さない。
さあ、後悔しなさい?
自分の行動に、先を考えなかった浅はかさに、己の愚かさに。
全てと向き合い考える時間はたっぷりあるわ。だってこれからは1歩も外に出られない日々が続くものね。
……ええ、アンタも巫女だから、私と同じような目に遭った事があるんでしょう。こうなってしまった原因は、そこにもあるでしょうね。
周りの憎悪を受けて、そこにいる事を認めるどころか許されてもいない。使用人のように扱われて、土地の外に出る時は一族の者だと知られないように変装して。
その辛さはよく解るわ。だって私も同じだったもの……けれど。
――――――その辛さを知っているはずのアンタが、そうしたのを忘れたの?
……さあ、ここまでにしましょうか。他にも聞いてほしい言い訳があるなら、じっくり聞いてくれるいい場所があるわ。
きっと評議院なら、“事情聴取”と称して沢山会話が出来るわよ。
「腐りきった場所の頂上なんて、どうせ脆いだけよ」
思い残す事は何もないかしら?私はもう満足よ、十分すぎるくらいに。
……ああ、でも最後に、言いたい事が1つだけ。
「だから、私が壊してあげる。時間をかけて築いてきたものを、一瞬で」
―――――――そんなありったけの思いを込めて。
恐怖で停止したあの女の顎に、ありったけの力で蹴りを叩き込んだ。
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