マクロスF
0811話
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「次だ! もう1回俺と勝負しろ、アクセル!」
ムウの制止を振り切ってこっちに近づいてきたイザークがそう叫ぶが、次の瞬間にはその頭部にコーネリアの拳が振り下ろされる。
「落ち着け、馬鹿者が。お前は自らの力をきちんと示した。今日の演習の目的は、あくまでも私達の1年半の成果をアクセルに見せる事だ。勝ち負けが重要じゃない……とまでは言わないが、己のやるべき事を見失うな」
「むっ……」
コーネリアの言葉が正しいと理解したのだろう。殴られた頭を擦りながら黙り込む。
そのまま後ろを向いてスティングやアウルのいる方向へと向かって歩き……そのまま振り向いて叫ぶ。
「いいか、アクセル。次だ、次こそ必ず目にもの見せてやるからな! 覚えておけよ!」
そう告げ、今度こそ去って行く。
イザークの負けず嫌いは1年半経っても全く治っていないな。まぁ、イザークの場合はそれが長所にもなるのだから、無理に直す必要は無いか。
「さて、アクセル。早速だが次だ。組み合わせはオウカとムラタ。いいな?」
チラリ、と俺では無くオウカとムラタの2人へと向けて確認するコーネリア。
そんなコーネリアの言葉に、2人は頷き口を開く。
「今の私の実力をアクセルさんに披露させてもらいます。いつまでも私が守られるだけの女ではないと証明する為にも」
「アクセルとの戦い。……随分と久しいな。俺がこの1年半で磨いてきた実力を見せてやろう。生半可な気持ちでは……死ぬぞ?」
そう告げ、2人とも自分の機体へと向かう。どちらもやる気たっぷりで戦意も高いが、オウカのやる気とは裏腹にムラタの場合は殺る気と表現すべきだろう。
実際、ムラタは俺に下された時に比べれば随分落ち着いているように見えるが、その本質はそれ程変わってはいない。ただ、牙を納めるという事を覚えたが故にそう見えるだけなのだ。
……いや、人斬り、あるいは人機斬りとしての欲求ではなく、力を求めてより高みを目指していると考えればかなり違うか。
ともあれそんな2人の後ろ姿を見送り、俺もまたニーズヘッグへと戻っていく。
そのまま先程同様2機と離れ、5分程経過した時に開始の合図が行われ、演習が開始された。
今回はイザークやムウと戦った時とは違い、相手が攻めてくるのを待ち受ける。
とは言っても、ムラタとオウカの組み合わせだ。どんな風に役割分担をするのかは考えるまでも無い。
それから数秒。やはりと言うか、当然と言うか、予想通りに真っ直ぐにこちらへと向かってくる特機の姿。
ムラタが操るトリニティゲインだ。
右手には五大剣、左手にはシシオウブレードの2刀流でスラスターを全開にしてこちらへと向かってくる。
まずは小手調べ……では無く、最初の一撃から全身全霊を込めて振るわれる五大剣。
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