第1ヶ条
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妙な間が流れていく。このままじゃ辛い結果しかみえてこない。焦りが余計に頭を空っぽにしていく。
そんな妙な空気をぶち破る言葉が美山さんの口から飛び出た。
「も、もしかして、こ、告白とか、かな?」
悟られてる。まさか、花陽が何かそそのかしたのか。いや、もうここは勢いでいくしかない。俺はグッと目を閉じた。
「そう、告白です。美山美森さん。あなたのことが好きみたいです。いや、大好きです。俺と付き合ってくれませんか。」
…美山さんからの返事が返ってこない。俺はゆっくりと目を開けた。
「はい。」
そう言う美山さんは目線を俺から逸らしながら、顔を真っ赤にしていた。
*****
玉砕濃厚だった告白がびっくりするような結果になったその日、俺と美山さんは一緒に帰ることになった。何というか、今日は人生の運が全て注ぎ込まれたような1日だ。
「まさか、美山さんがOKしてくれるとは。嬉しすぎて、ここから逆立ちでも家に帰れそうな勢い。」
先程、何も言葉が出てこなかった俺はどこへ消えたのかというくらい、軽口をたたく。
「ねえ、美山さ…ってあれ。」
隣で並んで歩いていたはずの美山さんがいない。え、ドッキリでしたとかいうオチですか?え?
俺がアタフタしていると、後ろから笑い声が聞こえた。慌てて振り返ると、俺の3歩ほど後ろを歩く美山さん。
「どうして、後ろを歩いてるの?」
美山さんは真顔でこう言う。
「え?彼女って3歩下がって彼氏の後をついていくものなんじゃないの?」
何と言うか、美山さんすごく古風な考え方をお持ちだ。そして、微妙に意味が違う気がするぞ。
「美山さん、今の時代は男女平等だよ。いや、女の子のほうが前を歩いていくような勢いかも。」
俺の力説する姿に美山さんは小さく笑う。
「伊笠君面白いね。変なの。」
いや、ちょっと変わっているのは美山さんも同じだと…。それでも、笑っている姿も可愛いから何でもいいか。
そんなかんだで、ちょっと変わった可愛い彼女が本日出来ました。
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