第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十六日・夜:『屍毒の棘』U
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得るとすれば……最初から分かっていたのだ。
『兎に角、先ずは合流しなきゃニャア。そして脱出、やる事ばっかナ〜ゴ』
『それしかないわね……んじゃ、行く訳よ!』
ゆるりと、以前『アイテム』の入団試験時に入手した軍用ナイフを備えた右腕を前に。彼の最も得意とする構えを取り、その左手には『南部式拳銃』を握る。
同じく、フレンダは……スカートの中から、戦闘機に描かれる『鮫の笑顔』を描かれた『棒付き』を右手に四つ、左手にはグロックを構えて。
『制圧目標確認……人物・男女二名。詳細特徴不明────警告、戦闘能力確認。各機、兵装使用自由』
それを確認し、ロボットが小型の武器を露出する。恐らくは、投網か遠距離用の電撃銃だろうが。
『結局────先手必勝な訳よ!』
その指揮官機を、フレンダの『棒付榴弾』が捉えた。
対面の壁まで吹き飛ばされた指揮官機は全壊。周りの機もそれなりに損傷しながらも、危険度からフレンダを狙って武器を構え────
『ニャハハ────!』
その銃口を、銃弾が抉る。改造南部の強装弾、50AEが砕いて。センサー部に撃ち込まれた二発目の弾が、『運良く』機関部まで届いて機能停止させて。
また、発射された投網は──ショゴスを潜ませるナイフの『影の波』の一撃に両断。その波の余波で、発射した機体までも両断して貪った。
「雑魚が……出しゃばんじゃねェ、ってなモンだぜ」
クク、と邪悪に。素の声で笑って、嚆矢は右手を見る。無惨にも、ショゴスに食い潰されたナイフを。もう使い物にはならないと、全てくれてやる。これで、本当に近接武器は喪った。
『何遊んでんのよ、早く逃げる訳よ!』
『ノー、だニャアゴ』
『はあ?! 何でよ! 絹旗なら一人でも何とか出来るわよ、暗部舐めてんじゃない訳よ!』
その嚆矢に、早くも脱出ルートを走り始めているフレンダが呼び掛ける。見れば、周りの窓には学園都市製のシャッター。壁と言えば、棒付榴弾を受けて吹き飛んできた警備ロボットがぶつかったところで無傷の壁。壁抜けすれば簡単な話だが、生憎、あんな離れ技は『一回』ぐらいしか持たない。即ち、脱出は『フレンダと最愛を纏めて』。
『それでも……残してはいけないニャア。オイラは────』
だから、兎に角、先ずは最愛との合流を。だが、先程から妨害電波でも出ているのか。インカムをどう操作しても繋がらない。募るのは、妙な焦
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