第四十八話 アンノウン
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
メモリーに刻まれた“泣き顔”は、今もハッキリと残っている。
悲しみを隠し切れず、却って秘めたる感情を悟らせてしまう不器用な顔。
エックス「アクセルを助けなければ…!!」
時間は残されていない。
気絶してから一体どれだけの時間が流れたのか分からないが、今こうしているだけでもアクセルの未来は絶望へと追い込まれる。
エックス「行こうゼロ!!」
ゼロ「ああ」
2人が部屋を出ようとした時。
ゲイト「早く彼女を!!」
焦りの表情を浮かべたゲイトが部屋に入って来る。
エックス「ゲイト!?」
ゼロ「何があった?」
目を見開くエックスに代わり、ゼロが尋ねる。
ゲイトはようやくエックス達に気づいた。
ゲイト「ああ、気がついたのか。すまないがどいてくれ、怪我人だ」
エックス「ルナ!?」
重傷の彼女が担架に乗せられて運ばれてきた。
ルナ「へへ…悪い…ヘマやっちまった…」
ゲイト「全く、酷いもんだよ…長い間事務仕事しかしてなかったからかもしれない」
エックス「ルナ…」
ルナ「俺のことはいいから…司令室に」
ゼロ「…分かった」
彼女が苦痛を押して頼んでいる。
エックスもゼロも彼女が気掛かりではあったが、己がやるべきことを思い、司令室に向かった。
エックス達が目覚める前にルインはトロイアベースにダイブしていた。
トロイアベースは新世代型レプリロイドを訓練するために造られたトレーニング施設である。
多くの新世代型レプリロイドがここで研修を受けて、月面へと旅立って行く。
人類が生き延びるために掲げた“ヤコブ計画”。
その成功のために造られた施設が、敵の巣窟の1つと化していた。
仮想空間は暗い色調に光が輝き、幻想的な雰囲気を作っている。
幾何学的な模様が空中に浮かび、時の移ろいに合わせて明滅している。
引き込まれてしまいそうな、不思議な光景だ。
光に惑わされずに訓練を行うのも、立派な訓練と思えてしまう。
ルインは第一のバーチャルプログラムを攻略し、通路を駆け抜けている。
アイリス『ルイン、これまでのデータから、今回のイレギュラーのパターンを解析したんだけど、気になる共通点を発見したの』
ルイン「共通点?」
ルインをナビゲートしながら、アイリスが静かな声で伝える。
彼女の声はとても透き通っていた。
例え伝える事実が重いものであっても、ルインはアイリスの言葉に耳を傾けた。
アイリス『コピーチップのパターンがシグマのDNAに似ているのよ。これが何を意味するのかは分からないけれ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ