聖夜に捧ぐ『フローエ・ヴァイ・ナハテン』〜クロスクエスト〜
第二幕
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か? 人数は多い方が楽だろうし」
「構わないが……俺の盾で、前線に出てる奴を守るのは厳しいぞ?」
「良いって良いって。敵の攻撃の起動ぐらい、《この目》で読めるからさ」
直後、少年の眼の色が変わる。
「それは?」
「ユニークスキル、《千里眼》。まぁ、情報の透視とかそう言うのができるスキルだ。よろしく、アクト」
***
「またこんな件なのか……」
森の中を、二本の大剣を携えた青年が歩いて行く。銀髪に、青いコートの少年だ。構えている大剣は、片方が黒、もう片方が白。
『だから前回も言ったろ? アツヤ。「あの天宮、とかいう奴には注意しろ」ってな』
「前回お前の声聴こえなかったじゃねえか、《悪我》」
アツヤ、と呼ばれた少年の脳裏に直接語りかけるのは、黒い方の大剣だ。名前、と言うより《銘》は、《神撃剣・悪我》。
『ですが、淑女のためにプレゼントを取りに行こう、という心意気には感嘆しました。さすが我が主です』
アツヤを褒めたのは、白い方の大剣。名前もとい銘は《神断剣・性》。
アツヤは現在、《天宮》と名乗る青年の導きで、このアインクラッドにもにた奇妙な世界に迷い込んでいた。目的は、ヒメカこと姫乃臨花へのプレゼントを手に入れるため。
「まぁ、せっかくだから、現実世界じゃ高くて買えないものとかにするかなぁ……」
――――指輪、とか?
そう考えて、首を振る。
――――駄目だ。さすがに早い。
『ったく。同棲してる時点でもうほとんど夫h』
「だぁぁぁっ! 言うなッ! それにアヤセも定期的に来てるんだから、二人っきりじゃないだろ!」
『ですがアヤセ嬢ももはや半ば通いづm』
「だから! やめろって!!」
まったく、恥ずかしい。
アツヤは双大剣を黙らせると、周囲に索敵を掛ける。
――――あっさりと、何かが引っ掛かった。
「……ッ!?」
――――後ろか!!
「ソードビット!!」
音声コマンドに反応して、《悪我》とよく似た漆黒の大剣が出現する。射出されたそれは、背後に迫ってきていた一つの人影を吹き飛ばした。
「ぐぎゃっ!」
奇妙な音をたてて飛んで行ったのは、鹿だかトナカイだかのそれに似た、角をもったヒトガタ。
「モンスター、か……?」
どう見ても人間ではない。が、SAOやALOと違って、カラーカーソルもHPバーも出ない。
さらに不気味なことに、明らかに絶命しているのにも関わらず、ポリゴン片となって爆散しない。
カラーカーソルやHPバーに限って言えば、以前《天宮》と同じ顔の少年、シャノンと共に戦った世界でもそうだった。だが、あのときは敵は
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