―邪心経典―
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自身の効果で攻撃力を上げた《ニトロ・ウォリアー》は、それに構わず《ワーム・キング》を攻撃する。ワームが王は思った以上にあっさりと破壊されると、その衝撃は闇魔界の覇王に伝播した。
覇王LP1300→1000
「続いて《ニトロ・ウォリアー》の効果を発動! 《ワーム・ヤガン》を攻撃表示にし、連続攻撃を行う! ダイナマイト・インパクト!」
《ニトロ・ウォリアー》は腕から旋風を巻き起こし、《ADチェンジャー》によって守備表示になっていた《ワーム・ヤガン》を再び攻撃表示に戻し、さらにラッシュを仕掛けて跡形もなく破壊する。しかし《シャインスパーク》の影響で《ワーム・ヤガン》は強化されており、《ダメージ・ダイエット》の効果も併せて650ダメージ――闇魔界の覇王を殺しきるには至らない。
覇王LP1000→450
「くくくく……私が戦闘ダメージを受けたことにより、《邪心経典》の効果を発動! デッキから《邪心教義―憎》を墓地に送る!」
悲しみ怒り苦しみ疑い憎しみ――五つの負の感情が《邪心経典》へと刻まれる。
「ありがとう。君と彼女には感謝のしようもない……さあ、ターンを終了したまえ。彼女を生け贄に終わりを告げるワームは降臨する!」
「……それはどうかな」
ハイテンションになっている闇魔界の覇王には悪いが、まだ俺のターンは終了していない。ペラペラペラペラと余計なことまで喋ってくれたおかげで、どうやって《邪心経典》を打ち破るか検討が付いた。そちらが戦闘ダメージを与えやすいように誘導していて、そのまま誘導に甘んじて相手の思い通りになるほど、俺も明日香も甘くはない――!
「俺は魔法カード《潜入! スパイ・ヒーロー》を発動!」
「……何?」
発動するのは、異世界に来るときに混じっていた十代のカード。闇魔界の覇王の疑問の声とともに、俺はそのカードの効果を発動する。
「デッキからカードをランダムに二枚墓地に送り、相手の墓地の魔法カードを一枚手札に加えることが出来る! 俺が手札に加えるのは――」
闇魔界の覇王の発言を総合すると、《邪心経典》の効果は戦闘ダメージを受けた時に《邪心教義》というカードを墓地に送り、その墓地の五つの《邪心教義》を対象に――恐らくは墓地から除外し――発動する。その困難な条件に比例して、《邪心経典》によって現れるカードは、もはやデュエルモンスターズという枠組みから外れているらしいが……そんなことは俺には関係も興味もない。
つまり、墓地に《邪心教義》と名の付いたカードが存在しなくなれば――
「――《邪心教義―苦》!」
――容易くこのコンボは瓦解する。
「なァっ……!?」
苦しみを選んだのはただの自己満足だった。これが明日香の感情だというのならば、せ
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