―邪心経典―
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に変換され、残りライフは1300ポイント。
そして今まで何の反応を示していなかった《邪心経典》が、『疑』の文字が刻まれるとともに脈動を開始した。そろそろ封印とやらが解けて、儀式が開始される合図だということか。
「君に良いことを教えてあげよう。《邪心経典》で墓地に送る《邪心教義》は、残り一つ――『憎しみ』だ」
フィールドと手札を見渡して次の手を考える俺に対して、闇魔界の覇王が心底愉快そうに声をかけてくる。《ワーム・キング》を始めとしたワーム軍団がいる、という驕りからか。
闇魔界の覇王はこう言っているのだ。『次のターンで殺されたくなければ、お前の手で《邪心経典》に――彼女に《憎しみ》を刻め』と。……あのリバースカードは自分のライフが0にならないように対策しているカードだろうに、白々しい。
「俺のフィールドにモンスターはいない。よって、《レベル・ウォリアー》を特殊!」
その問いかけは無視しながら、特撮ヒーローのような姿の機械戦士を特殊召喚する。戦闘ダメージを与えなければ俺は敗北し、戦闘ダメージを与えれば明日香に『憎しみ』を刻むことになる――らしい。……いや、そんな不確かなことよりも、戦闘ダメージを与えれば《邪心経典》は完成し、闇魔界の覇王の目的が達成されると考えるべきか。
「俺は《レベル・ウォリアー》をリリースし、《サルベージ・ウォリアー》をアドバンス召喚!」
どちらにせよ手詰まりだ。敗北するか邪心経典が完成するかの違いだけ――などと、こちらが全て思い通りになると思っては困る。まんまと『黒幕』とやらの手に掛かって、この異世界に来たのは確かだが……舐めるな!
そう思いを込めて《レベル・ウォリアー》をリリースし、《サルベージ・ウォリアー》をアドバンス召喚する。サルベージ・ウォリアーは背中に装備していた網を取り出すと、墓地に向かって投げつけた。
「《サルベージ・ウォリアー》がアドバンス召喚に成功した時、墓地のチューナーモンスターを特殊召喚出来る! 蘇れ、《ニトロ・シンクロン》!」
墓地から特殊召喚するのは《セブン・ソード・ウォリアー》のシンクロ素材となったチューナー、《ニトロ・シンクロン》。特殊召喚されるなり再びシンクロ素材となり、メーターを振り切れさせて自身を光の輪と化す。
「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ! シンクロ召喚! 燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》!」
《サルベージ・ウォリアー》を光の輪が包み込み、シンクロ召喚されるのは悪魔のような形相をした機械戦士《ニトロ・ウォリアー》。その最も火力がある機械戦士の登場に、闇魔界の覇王はニヤリと笑った。
「なるほど……次の戦闘ダメージで私のライフを削りきれば良い、と考えたか」
「……《ニトロ・シン
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