―邪心経典―
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アムの中、殺気が渦巻く戦いが始まろうとしていた。
『デュエル!』
遊矢LP4000
覇王LP4000
「俺の先攻!」
デュエルディスクが俺の方に先攻を提示する。覇王の実力は先に戦った戦士長、明日香に及ばないとのことだが、それも覇王が自ら言ったこと。真実がどうかは分からず、油断をすることは出来ない。
「俺は《マックス・ウォリアー》を召喚!」
機械戦士の一番槍。アタッカーこと《マックス・ウォリアー》がいつも通りに戦陣を切る。攻撃表示で召喚し、闇魔界の覇王のデッキがどんなものか誘い出す、という役割も担っている。
「カードを二枚伏せ、ターンエンド」
「私のターン……ドロー」
合計三枚のカードを展開すると、闇魔界の覇王の元へとターンが移る。さて、どんなデッキなのかと身構える俺に対し、闇魔界の覇王は薄く笑うのみだった。
「ある日この異世界に、二人の異邦人がやって来た。一人は運良く助けられたが、もう一人は運悪く我らの領地に現れた」
何の話だ――と怒声を浴びせようとするが、直前に俺は闇魔界の覇王が話そうとしている内容に気づく。この異世界に現れた二人の異邦人……俺と明日香のことだと。
「少女は体力を失ったまま果敢に戦うが、最後はデッキを取り落として気絶してしまう。そして闇魔界の軍勢に捕らえられたのだ。……私は《ワーム・ゼクス》を召喚!」
そのまま闇魔界の覇王は、不出来な物語を言って聞かせるように話していたが、突如としてデュエルを再開する。召喚されたのは光属性・爬虫類族のカテゴリー、《ワーム》に属するモンスターの一種である《ワーム・ゼクス》。……闇魔界の覇王には随分不釣り合いな種族だ。
「私は《ワーム・ゼクス》の効果により、デッキからワームと名の付くモンスターを墓地に送る」
焦らしているつもりかどうかは知らないが、どうやら今はこれ以上を話す気はないらしく、覇王は淡々と《ワーム・ゼクス》の効果処理を行っていく。……そして先程の発言は、明日香のデッキを使っていたヒロイックの戦士――カンテラの『金髪の決闘者が負けたところから奪った』という条件と一致する。
……闇魔界の覇王が語る言葉は真実なのか?
「さらに、墓地に送った《ワーム・ヤガン》の効果だ。こちらのモンスターが《ゼクス》のみの時、墓地から《ヤガン》をセット出来る」
さらにワームの効果を操る闇魔界の覇王を前に、考えても仕方がないことを考えている暇ではないと、まずは目の前にいる仇敵のことを考える。《ワーム・ゼクス》のみだったフィールドには、新たなワームが墓地からセットされている。
セットされたモンスターは《ワーム・ヤガン》で、確かリバース効果は相手のモンスターのバウンスだったか。俺のフィールドにいる《
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