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ソードアート・オンライン 少年と贖罪の剣
第七話:決意決着
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ければならない。
レンの体が回避しようと左へ動く。しかし、それこそがPoHの狙いであった。

幾ら彼の殺人鬼が攻略組のトッププレイヤーと同程度の実力を持っていようと、それではレンに及ばない。
そんな事はPoHも承知の上だ。だから、汚い手でもなんでも使う。

Stupid(間抜け)

回避を選択したレンの体目掛け、PoHは友切包丁(メイト・チョッパー)を握るのとは逆の手に持っていた小型のダガーを伸ばした。
剣先には緑色。先ほどレンを麻痺状態にした毒が塗られてあった。
レンの体勢から回避は不可能。勝利を確信し、笑みが浮かぶ。


「喰らうとでも?」


レンの体がブレた。遠心力が加わった下段からの斬り上げが、ダガーを弾き飛ばす。

「馬鹿な…!? 速すぎる!」

それは異常なまでの反応スピードの速さ。
レンがPoHの持つダガーに気づいたのはPoHがレンを罵倒した時その瞬間。そこからダガーがレンの体を貫くまで、一秒はかからないだろう。
しかし、それは右回転による遠心力の加わった斬り上げで阻止された。

「くっ!」

強烈な一撃を受けて後方へ流された左手をすぐ様、友切包丁へ添える。

「イッツ・ショウ・タイム」

己のセリフが聞こえてきた時には既に、白銀の英雄の姿は漆黒の暗殺者の懐の内に在った。

黒の十字架剣が下段から首を斬り落とさんと振り上げられる。
途轍もない殺気を辿って中華包丁のような剣を掲げると、それが弾き飛ばされる。

「ぐっ、ぉおおおお!!」

紅い眼光がPoHを見据え、そして殺意を迸らせて動き出す。
本能が告げる警鐘に従い、友切包丁を振り回すもレンは一撃一撃を余裕を持って捌く。実力差は明白。搦め手すら防がれた。攻撃に移られれば防ぎきる事はできない。正に八方塞がり。
数字で全てが決まるこの世界では、覚醒などということはまずあり得ない。

「ーー終わりだ、PoH」

紅い眼光と()()()()()に睨まれ、そしてPoHの体にV字の斬撃が刻まれた。
《バーチカル・アーク》。片手直剣用二連撃ソードスキルによって、PoHのHPは残り10%を切った。



「……く、クク…」

膝をついたPoHが、フードによって隠れた唇から笑い声を漏らした。

「哀れだ。哀れだなぁ、英雄サマよォ! 結局お前が頑張った所でアイギスが裏切った事実は変わらねぇ! 幾らお前が訴えようと、アイギスは悪名高い裏切りギルドのまんまだぜ!」

裏切りギルド。それは正しい。紛れもなくアイギスは攻略組プレイヤーを裏切り、そしてあの惨劇が生まれた。レンもそれを否定する要素など持ち合わせていないし、するつもりもない。
それについて何を言われようと、もう、ど
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