第百八十五話 義昭の挙兵その七
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「東国のことはわからぬが」
「西国は間違いないわ」
織田家が勝つというのだ、即ち信長が。
「我等の策は今はな」
「これで終わりじゃ」
「さすれば」
「今からそちらに戻る」
「闇にな」
「ではそのこと、長老様にお伝えします」
影は二人に答えてだった、その姿を消した。天海と崇伝は彼の気配が完全に消え去ったのを確認してからお互いに話した。
「まさかのう」
「うむ、織田家が海でもここまで強いとはな」
「そのうえ鉄の船まで持ち」
「都に向かってきておるとは」
「全く以て侮れぬ」
「よくもそこまでしてくれるわ」
憎しみを込めて語るのだった。
「都での策もな」
「これでは成さぬ」
「それではな」
「以後はな」
「暫し闇に潜み」
「次の策を練ろうぞ」
影に話したこともそのまま話す。
「では今からな」
「消えようぞ」
こう話してだった、そのうえで。
二人は闇の中に消えた、しかし彼等が消えたのは誰も気付かなかった。その間にも信長は都に向かいそうして。
朝早くに都に着いた、共にいるのは長政と池田、森だった。それに黒田と毛利、服部も共にいる。他の者達は摂津だ。
その彼等にだ、信長はこう言った。
「よいか、すぐに終わらせてじゃ」
「はい、そして」
「石山に戻りですな」
「本願寺との戦を終わらせる」
そうするとだ、彼等に言うのだ。
「わかったな」
「ですな、では都は」
「今より」
「攻めてじゃ」
そうしてだというのだ。
「すぐに終わらせる」
「では殿」
池田がその信長に言って来た。
「既に公方様のおられる室町第は勘十郎様が囲まれていますので」
「それでじゃな」
「勘十郎様と合流し」
「それからじゃな」
「室町第を攻めましょうぞ」
「その通りじゃな、ではな」
信長も池田のその言葉に頷いてだ、そのうえで。
彼は軍勢を率いて信行のところに向かった、その軍勢を見て都の民達は喝采をあげてこう言うのだった。
「おお、右大臣様じゃ」
「右大臣様が来られたぞ」
「長政様達も一緒じゃぞ」
「では都の乱れもな」
「収まるわ」
「右大臣様が来られれば」
「こんなことはすぐに終わるわ」
こう口々に言いながら信長に喝采を送る、黒田はその彼等の言葉を聞いてそのうえで信長に対して言った。
「殿、これでは」
「この戦はな」
「既に勝っております」
こう信長に言うのだった。
「後は室町第にです」
「我等が行ってじゃな」
「後はどれだけ速く兵を失わずに収めるかですが」
「その策はあるか」
「はい」
その通りだとだ、黒田はノブなg谷すぐに答えた。
「お任せ下さい」
「では聞かせてくれるか」
「はい、それでは」
こうしてだった、黒田は信長に己の策を
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