第二十八話 横須賀の思い出その十一
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「危険なスポーツなのは確かだよ」
「そうよね」
「だから油断はしないよ」
それも一瞬たりとも、というのだ。
「怪我は自分持ちだからな」
「自分に降りかかるからね、怪我って」
「あと他人を巻き込むしな」
事故、それになれば余計にというのだ。
「そうもならない為にもさ」
「気をつけてやってるのね」
「そうだよ、じゃあ今日もな」
「うん、頑張ろうね」
一日の生活を、というのだ。そうした話をしてだった。
薊は裕香達と共に一日を楽しんだ。そして放課後にだった。
モトクロス部に出てまずは準備体操のストレッチとランニング、それからサーキットトレーニングをしてだった。
それからバイクに乗りオフロードを走る、その時にだった。
ふとコースを見ると智和がいた、薊は彼のところに来てそのうえでヘルメットを脱いで彼に問うた。
「どうしたんだよ、先輩」
「うん、時間があってね」
智和は知的な微笑みで薊に答えた。
「それでモトクロス部に立ち寄ったけれど」
「あたしを観に来てくれたんだな」
「いないかなとも思ったけれどね」
「拳法部との掛け持ちだしな」
「それでも今日はいたね」
「この通りな」
薊も智和に笑顔で答える。
「いるよ」
「そうだね、それじゃあね」
「あたしのバイク観てくれるか」
「少し観させてもらったよ」
今の時点で、とうのだ。
「上手だね」
「まあな、こっちも頑張ってるしな」
拳法だけでなく、というのだ。
「あたしもそれなりの自信があるよ」
「それは何よりだね」
「あと気は絶対に抜けないしな」
薊はこのことはかなり真面目に言った。
「気を抜いたらそれでな」
「怪我につながるからね」
「そう、下手したら死ぬからな」
モトクロスはそうしたスポーツだ、常に危険と隣り合わせのスポーツだ。それで薊もこう智和に言うのだ。
「かなり気をつけてるよ」
「それは何よりだね」
「じゃあこれからまた走るからな」
「うん、観させてもらうよ」
薊のその走りをというのだ。
「これからもね」
「色々と気付いたことがあったら言ってくれよ」
「それじゃあな」
薊はまたヘルメットを被ってだった、そうして。
走ることを再開した、智和はそのオフロードでの走行を観てだった。
部活の後でだ、シャワーを浴びてすっきりとなった薊にだ、こう話した。
「車が来るまでの時間だけれど」
「それまでの間にだよな」
「気付いたことを話させてもらうね」
「ああ、頼むな」
「全体的にスピード重視で」
薊のその走りは、というのだ。
「小回りも利いていていいと思うよ」
「そうか、それは何よりだな」
「ジャンプも上手いし。ただ一つだけね」
「問題があるんだな」
「そのジャンプが高いね」
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