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オズのムシノスケ
第六幕その十一
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「寝ていなかったからね」
「やれやれだ。それはよくないよ」
「遊んでばかりだと?」
「そう、遊ぶこともいいけれど」
 それでもだというのです。
「寝ることも忘れたら駄目だよ」
「そのこともだね」
「さもないとね」
「僕みたいにだね」
「そう、何時か急に寝てしまってね」
 そしてとです、教授はその猪にお話します。
「皆に迷惑をかけてしまうからね」
「寝るべき場所で寝てしまって」
「そうなってしまうからだよ」
「だからだね」
「遊ぶことに熱中するのと一緒に」
 それと共にというのです。
「寝ないとね」
「そのこともだね」
「気を使わないといけないんだ」
「ううん、そうなんだ」
「そう、君は猪だから」
 このことも重要でした。
「寝ないといけないからね」
「かかしさんや木樵さんと違ってだね」
「あの人達は別なんだ」
 寝なくてもいいというのです。
「身体の仕組みが違うからね」
「そういうことなんだ。それじゃあ」
「これからは寝ることだよ」
「ちゃんと」
「よく遊んでよく寝る」
 この二つがあってこそ、教授は猪にこうも言いました。
「この二つのことはね」
「両立してこそだね」
「いいんだ、ではいいね」
「わかったよ、僕これからは寝るよ」
 ちゃんと、というのです。
「寝てそしてね」
「遊ぶのだよ」
「わかったよ、それではね」
 猪は教授に答えてでした、そうして。
 ドロシー達から貰ったジャガイモを全部食べてです、再びのっそりと起き上がってから皆に対して言いました。
「じゃあこれから僕の休むところに行って」
「そしてだね」
「寝るよ」
 教授にも答えます。
「そうするよ」
「それじゃあね」
「うん、じゃあね」
 こうして猪は一行の前から去りました、その猪を見送ってからです。教授は子供達に対してあらためてお話しました。
「この通りね」
「何があるかわからない」
「そういうことですね」
「そう、だからね」
 それでだというのです。
「今回は小さなことだったけれどね」
「本当に何があるかわからないから」
「それで、ですね」
「何があっても戸惑わない」
 絶対にというのです。
「それが大事なんだよ」
「そうですね、じゃあ」
「これからも」
「オズの国は何かがいつも起こる国だからね」
 余計にというのです。
「おそらく君達の世界よりもね」
「ですね。僕達の世界と本当に違います」
「何もかもが」
「そのことを頭に入れて」
 そしてなのでした。
「いよいよだよ」
「将軍のお家に」
「今から」
「あと少しよ」
 ドロシーも皆に言います。
「あと少しで将軍のお家でだからね」
「前に進もうね」
 トトも五人に声をかけます、そうしてなの
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