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第二十八話 悪魔の契約
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「アアアアアアアアアアアアア!!!」

憤怒に燃えるような叫び声が木霊する。
同時に地面に何度も拳を打ちつけ、声の主、ケイタは叫び続けた。

「クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!!!」

彼の計画は完璧だったはずだった。

まずは、アーチャーの主従を待ち伏せし彼等と交戦する。
現時点で自分のサーヴァントがアーチャーより上回っていると踏んでいた彼は、アーチャーなら楽に倒せるとタカを括っていた。

万が一、他のサーヴァントが乱入しても、彼のサーヴァントなら二対同時に相手できる。
現にセイバーが駆けつけても、有利に立っていたのはこちらのほうだった。

だが、その自尊心がたった一体のサーヴァントによって脆くも砕け散った。

赤い槍を携えた蒼い戦士。

彼はあの男―――――――ランサーを見たことがあった。
自分が、黒猫団を解散したあの日。
仲間が殺されたあの日。

彼の事は一人のソロプレイヤーとしか、見てはいなかったが、それ自身が間違いだったと今回気付かされた。

おそらく、奴こそが自分の仲間であった少女のサーヴァントなのだろう。

「――――――サチ……サチィィィィィィィィィィィィ――――――――――――!」

怒りで我を忘れる。
仲間と思っていた彼女が敵になった。
もはや、言葉にもならない。

「がぁぁぁぁぁぁぁぁッ……!!」

怒りと同時に苦しみも体を蝕む。

あの神父、監督役の男と契約した際、彼は自らの精神と直接リンクさせ、バーサーカーとの繋がりをより濃くしていた。
そうすることで、バーサーカーはより強靭な力を手に入れることができる。

だが、それは同時に諸刃の剣でもあった。

サーヴァントと直接精神を繋ぐことで、確かに戦闘能力は格段に上がるが、同時に体をサーヴァントの魔力によって汚染されていく。

無論この世界において肉体は存在しないため、リアルにはそこまで影響はしないが、精神に直接それらを叩き込むことで、この世界では感じられない激痛が自らを襲う。

ペインアブゾーバによって、痛みはなくても苦しみは想像を絶する。

それでも、怒りはすべてを凌駕する。
怒りの矛先は、自分からすべてを奪い去ったあの黒の剣士。

「……殺してやる―――――――――――殺してやるぞ」

呻くような声で呟く。
体が思うように動かない。
それでも引きずる様にして懸命に動かす。

だが、その彼を止めるような声が後方から聞こえた。

「ちょっと、待ってくれねぇかなお兄ぃさん」
「……なに?」

よろけながら声のした方向へと顔を向ける。

「Ha……ひっどい顔だな。好きな女にでも振られたか?」
「……っ!」

軽口が彼の心を逆撫でする。
今にも
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