九校戦編〈上〉
FLTのCAD開発センター×飛行術式テスト
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んどの遣い手が斬撃の都度、魔法を発動し直しているからだ。魔法を連続発動するテクニック自体が、つい最近まで一部の魔法師の特殊技能とされていたのであり、魔法演算領域内で起動式を自動的に複写して魔法式を連続構築するループ・キャスト・システムの実用化によって市民権を獲得したようなもんだ。
「俺から言わせてもらうと、お前らと俺らじゃサイオン量が違うんだから調子に乗った罰だと思え」
「織斑会長の言う通りでっさ、そのツケは自分で払えよ。超勤手当なんぞ出さねーからな」
幸い後遺症の残るような魔法力枯渇を起こしたテスターはいなかったが、少々調子に乗ったバカテスターだった。シャレになる範囲で済んだからよかったものだ、牛山は抗議の声を鼻先で笑い飛ばし粉砕させて、テスト結果に目を通す俺の許へ歩み寄った。深夜達はここならIS起動できるので、展開してから本物の空を飛ぶという見本をしていたのだった。深雪も久々に展開させてから鬼ごっこを始めた深夜達だった。
「何か気になるところでもありますかい?それと深夜様達は自由に飛んでいますねぇー」
「起動式の連続処理というのは、欲を言えば限がないが今のままだと負担が大きいようだ。ま、俺達のようにサイオン量は違うからな。あとで蒼い翼本社に電話してテスター達に未知なる魔法をテストしてくれたという恩赦で、多少の手当をあげようと俺は思うな」
現代魔法の魔法力の尺度で測れば、俺達は未知なる魔法師であり、現代や古式とも違う魔法という異能の力を保有している俺でもある。エレメンツ使いは建前上であり、本来の力は神の力とでも言った方がいいような力である。魔法の無効化という力も技術化不可の力だ。30年前と今では全然違うが、起動式のノウハウが現代ほど進んでおらず、起動式から魔法式を構築する速度が今とは比べものにならないほど遅かったが、魔法式の効率は低かったし、実効性のある魔法式を構築する為には現代の何倍のサイオンが必要とされていた。当時は魔法式構築速度より魔法師が体内(肉体・精神体を合わせた「体内」)にサイオンに保有するサイオン量が、魔法師の力量を測る尺度だった。当時のサイオン量が俺達と共に最上級の評価を受けるサイオンを保有していたが、今現在では起動式と魔法式、CADというデバイスの進歩によりサイオン保有量が魔法を発動する上では、直接問題ではない。無系統魔法に分類される、サイオンそのものを放出できる術式以外で、サイオン保有量は見栄え以上の意味を通常、持たない。起動式を展開するには魔法式を構築するにもサイオンを消費する事に変わりなく、それが何百回、何千回と繰り返すと魔法師にとって負担と感じるからだ。
「それに関してはテスターの為にはなりましょうぞ、それで問題というのはサイオン自動吸引スキームを効率化する事ですかね?」
「まあな、
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