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魔法科高校の有能な劣等生
虚しさ
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「無月 零の記憶が不完全に?」

ビデオ通話相手の少年は言った。

「書き換えられた記憶が魔法を扱う度に不完全な状態に陥っている。
今、現在確認出来る状況から言えば相当、マズイな」

無月 零は記憶を犠牲に少女を救った少年だ。
少女を救う為に自身の記憶をサイオン変換、変換された記憶は数字の配列と化し魔法式に組み込まれた。
少年は記憶を失ったが少女の命は救われた。

「記憶は以前の無月 零に近い記憶をインストールした筈だが?」

「ああ、以前の無月 零に近い記憶を組み込んだ。
だが、近い記憶を組み込んだのが仇になるなんてな」

そこで青年は察した。

「一条 風香か?」

「記憶は消えても心は消えないか。
流石、無月 零!」

ビデオ通話に新たな乱入者が登場した。
その人物は無月 零を世界で一番知る人物だと思われる少年 無月 影。

「ジジの魔法で記憶を削除しても完全に削除するなんて無理なんだよ?
君達も知ってるでしょ〜〜」

挑発的な態度だが無月 影は真実を述べている。
無月 漆黒の十八番魔法は脳波干渉魔法、脳内の脳波を書き換え思い通りに記憶を創り出す魔法だ。
その要領で無月 零の記憶を消去する。そこまでは成功だが完全な記憶消去は不可能だ。

「完全な記憶削除が出来ないから記憶の数字配列を組替えれば終了!
と思ったんだけど記憶の数字配列にも弱点が存在するんだよね」

「弱点?」

「君達の目的は零の記憶削除でしょ?
完全な記憶削除に近い数字配列をしても細かく記憶を砕くだけで不可能な記憶喪失なんだよ」

「要するに代用力に大容量のデータを細かく分別したと?」

「言い方を変えれば、それでも間違いじゃないね」

不完全な記憶削除が招いた結果が現段階 無月 零の記憶障害か。
完全な記憶削除技術が存在すれば話は済むが現在の科学力では不可能だ。
記憶削除が不可能なら記憶を封印するのが今の無月 零に施された処置だが封印にはデメリットが存在する。

「記憶の一部を封印なら簡単だけど記憶の内容次第なんだよね〜〜〜〜〜。
君達が封印したい零の記憶は零の脳内で一番印象に残ってる記憶、完全な封印も不可能だからね」

封印したい零の記憶内容は本人でも忘れたくても忘れられない記憶。
影も目の前で目撃した。
共に協力しても絶対に届かない壁が俺達の道を塞いだ。

「記憶封印も回数が限られるから注意!」

「残り回数は?」

「2回、、、、、、が限界かな」

真剣な表情で少年は答えた。
普段なら巫山戯た態度だが何故か真剣だ。

「限界を超えれば?」

「脳のspecを超える。
脳内干渉の記憶封印は脳に負担を掛けるのも難点だからね」

「不完全な記憶改変
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