八話
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しかし直撃を回避させても若干のダメージを蓄積させたキリトのHPゲージも赤の危険域に突入していた。
キリトが背教者ニコラスのHPを削りきる寸前背教者ニコラスも最後のあがきなのか武器を持っていない方の腕をふるおうとしている
(これはいなしきれない…なら!)
俺は自身の体を盾とし背教者ニコラスの最後になるであろう攻撃を受け止めた
「はぁあああ!」
キリトの雄叫びと共にキリトのソードスキルが発動し背教者ニコラスのHPを削り取った
パーン
ポリゴンの砕ける音とともに、キリトがアイテムドロップを受け取り蘇生アイテムを取りだすのを見て俺はあることを思う。
(たぶんそれは蘇生アイテムとして重大な欠点があるんだろう…)
俺は蘇生アイテムには欠点があると薄々気づいていた、このゲームの製作者茅場晶彦が無条件でだれか一人生き返らせることができるなんて温い仕様を作るとは思っていないからだ、そんな設定があるならHPが0になったら死ぬなどと始まりの街では言わないし、最初に見せられた脱落者のニュースも嘘ということになってしまうだろう。そうなるといろいろな矛盾が生まれてしまう、それよりは蘇生アイテム自体が何かの制限があると考えた方がしっくりくる。
(おおよそ効力はナーブギアが脳を焼く数秒前の時間なら蘇生できるか、一度HPが0になっても自動で回復するかってところだろう…)
キリトは蘇生アイテムの効力を読み終えたらしく顔を真っ青にし膝から崩れ落ち、そして…
「うあぁぁ……うわああああああああああああああああ!!!」
叫んだ。その叫びは何に対しての叫びなのか…この世界を呪ってなのか、自分の無力さ故になのか俺にはついぞわからなかった
しばらくするとキリトは立ち上がり先ほど通ったワープゾーンをくぐって帰っていく。俺もそれに続きワープゾーンをくぐった
キリトは先ほどの蘇生アイテムをクライン渡して
「それが蘇生アイテムをだ。過去に死んだやつには使えなかった。次にお前の目の前で死んだやつに使ってやってくれ。」
と言い出口に向かう。
クラインがキリトの袖を握りキリトに言う。
「オメェは生きろ、最後まで生きろよぉぉ」
涙ながらに、何度もそう言う。
「キリト。」
俺もキリトを呼び止める。
「俺はさ死んだやつの分まで生きろなんて言いたくない、むしろそんなことはして欲しいと思っていない。でもな死んだやつのために今生きてるやつができることっていうのはそいつのことを忘れずにいながらそいつのことを気にせず生きるってことだと俺は思う。お前が蘇生させようとしたやつは何を考えてたと思う?お前に何を願ったと思う?もう一度だけ考えてみてくれ。」
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